2,3-dibromobutaneの光学活性体 87回薬剤師国家試験問5d
第87回薬剤師国家試験 問5d
立体化学に関する記述の正誤を判定してみよう。
d 2,3-dibromobutaneは2個のキラル中心を持ち,4個の光学活性体が存在する。
第87回薬剤師国家試験 問5d 解答解説
d × 2,3-dibromobutaneは2個のキラル中心を持ち,4個の光学活性体が存在する。
→ ○ 2,3-dibromobutaneは2個のキラル中心を持ち,2個の光学活性体が存在する。
一般に、不斉中心の数がn個ある化合物において、1つの不斉中心ごとにR,Sの2つの立体異性体が存在することから全部で(2のn乗)個の立体異性体が存在する。
しかし、メソ体が存在する場合や橋頭位の原子が両方とも不斉中心の場合など、不斉中心の数がn個でも、光学異性体の数が(2のn乗)個とならないことがある
下記は2,3-dibromobutaneの立体異性体である。
2,3-dibromobutaneには2つの不斉中心が存在するが、不斉中心の立体が(2R,3S)のものと(2S,3R)のものは分子内に対称面が描けるメソ体(メソ化合物)であり、これらは光学活性を示さない。また、これらは同一の化合物である。
よって、2,3-dibromobutaneは2個のキラル中心を持つが、立体異性体のうち光学活性を示すのは、(2S,3S)のものと(2R,3R)のもの、計2つである。