酒石酸の立体異性体 101回薬剤師国家試験問209の4,5
第101回薬剤師国家試験 問209の4,5
ゾルピデム酒石酸塩に関する記述の正誤を判定してみよう。
4 酒石酸の立体異性体は、図に示したものを含めて4つある。
5 この酒石酸は(2R, 3R)の立体配置を有する。
第101回薬剤師国家試験 問209の4,5 解答解説
◆ 4について
4 × 酒石酸の立体異性体は、図に示したものを含めて4つある。
→ 〇 酒石酸の立体異性体は、図に示したものを含めて3つある。
不斉中心をn個持つ化合物について、1つの不斉中心ごとにRとSの2通りの絶対配置があるので、単純計算では2のn乗個の立体配置異性体が存在することになる。しかし、立体異性体の中に分子内対称面を持つメソ体が含まれると、立体異性体の数は単純計算通りにはならない。
酒石酸の立体異性体は下記の通り。
上記のC(R,S)とD(S,R)は分子内対称面を持つのでメソ体であり、これらは同一化合物である。
よって、酒石酸には3種類の立体異性体が存在する。
◆ 5について
5 〇 この酒石酸は(2R, 3R)の立体配置を有する。
不斉中心の絶対配置の判別の仕方については、下記のリンク先を参照
不斉中心の絶対配置の判別について