キラル中心1つをもつ光学活性化合物のカルボカチオン経由のラセミ化 87回薬剤師国家試験問5a
第87回薬剤師国家試験 問5a
立体化学に関する記述の正誤を判定してみよう。
a キラル中心1つをもつ光学活性化合物が,そのキラル中心上で反応し,carbocationを中間体とするときは,一般にラセミ化を起こす。
第87回薬剤師国家試験 問5a 解答解説
a 〇 キラル中心1つをもつ光学活性化合物が,そのキラル中心上で反応し,carbocationを中間体とするときは,一般にラセミ化を起こす。
下図は、反応中心炭素の絶対配置がSの3級ハロゲン化アルキルにおけるSN1反応の様子である。生成物において、反応中心炭素がSのものとRのものが等量ずつとなるのは、カルボカチオン中間体のC+に対して求核剤(Nu)が反応する際、求核剤(Nu)はC+のsp2平面の両側から平等にアクセスできるためである。