キレート滴定 直接法の原理と金属指示薬の変色 105回薬剤師国家試験問92の4

105回薬剤師国家試験 問92の4
酸化亜鉛の定量法に関する記述の正誤を判定してみよう。

 

キレート滴定 直接法の原理と金属指示薬の変色 105回問92の4

 

3 アは、クリスタルバイオレットである。

 

4 滴定終点において、指示薬アがエチレンジアミン四酢酸と結合して変色する。

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105回薬剤師国家試験 問92の4 解答解説

 

キレート滴定 直接法の原理と金属指示薬の変色 105回問92の4

 

3 × アは、クリスタルバイオレットである。
→ 〇 アは、エリオクロムブラックT(EBT)である。

 

4 × 滴定終点において、指示薬アがエチレンジアミン四酢酸と結合して変色する。
→ 〇 滴定終点において、指示薬アが遊離型となって変色する。

 

金属指示薬はキレートを形成している結合型と遊離型とで呈する色が異なる。

 

設問の定量法はキレート滴定の直接法であり、
ZnO由来のZn2+に対してEDTAを滴加し、
キレートを形成する反応を利用してZnOを定量する。

 

EDTAを滴加する前は、
Zn2+とエリオクロムブラックT(EBT)がキレートを形成し、
溶液の色はエリオクロムブラックTの結合型の赤紫色に染まっている。

 

EDTAを滴加していくと、
Zn2+−EDTAのキレートの錯生成定数はZn2+−EBTのキレートの錯生成定数より大きいので、
配位子置換反応が起こり、
Zn2+−EBTのキレートがZn2+−EDTAのキレートに置き換わっていき、
それに伴い、遊離型のEBTが増えていく。

 

滴定終点において、
Zn2+−EBTのZn2+−EDTAへの置換が完了すると、
溶液の色は結合型EBTの赤紫色から遊離型EBTの青紫色に変わる。
EDTAの滴加量から酸化亜鉛(ZnO)の定量ができる。

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