スルホンアミドの中和滴定 83回薬剤師国家試験問31
83回薬剤師国家試験 問31
次の記述は、下記の構造式で示した日本薬局方医薬品の定量法に関するものである。この操作で生成する物質の正しい構造式は1〜5のどれか。
「本品を乾燥し、その約0.5 gを精密に量り、中和エタノール30 mLに溶かし、水20 mLを加え、0.1 mol/L 水酸化ナトリウム液で滴定する。」
83回薬剤師国家試験 問31 解答解説
正解は4である。
本定量法は、設問の医薬品(クロルプロパミド)を酸とし、
水酸化ナトリウム標準液で滴定する中和滴定である。
カルボン酸アミド(C(=O)−NH)は中性であるが、
スルホンアミド(S(=O)−NH)は比較的にプロトンを解離しやすく酸性官能基と考えられている。
よって、スルホンアミド(S(=O)−NH)は水酸化ナトリウムと酸塩基反応を起こす。
R1−SO2−NH−R2 + NaOH → R1−SO2−NNa−R2 + H2O
したがって、設問の医薬品(クロルプロパミド)と水酸化ナトリウムの反応は下記の通り。