エチレンジアミン四酢酸二水素ナトリウム液の塩化カルシウム水和物の対応量 107回薬剤師国家試験問98の3
107回薬剤師国家試験 問98の3
日本薬局方塩化カルシウム水和物(CaCl2・2H2O:147.01)の定量法に関する記述の正誤を判定してみよう。
3 ウに入れるべき数値は、2.220である。
107回薬剤師国家試験 問98の3 解答解説
3 ウに入れるべき数値は、2.220である。
→ 〇 ウに入れるべき数値は、2.940である。
0.02mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素ナトリウム液1mL
= 2.940mg CaCl2・2H2O
以下、詳細
設問の定量法はキレート滴定の直接法であり、
CaCl2・2H2O由来のCa2+に対してEDTAを滴加し、
キレートを形成する反応を利用して定量する。
EDTAと金属イオンは1:1でキレートを形成する。
1モルのCaCl2・2H2Oから1モルのCa2+を生じるので、
EDTAとCaCl2・2H2Oは1:1のモル比で対応することになる。
0.02mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素ナトリウム液1mLに含まれるEDTAは0.02mmolである。
0.02mmolのEDTAは0.02mmolのCaCl2・2H2Oに対応する。
本問ではCaCl2・2H2Oの分子量を147.01とするので、
0.02mmolのCaCl2・2H2Oの質量は、
0.02mmol×147.01 (g/mol) ≒ 2.940mg
したがって、
0.02mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素ナトリウム標準液1mLに対する
CaCl2・2H2Oの対応量は下記の通り。
0.02mol/Lエチレンジアミン四酢酸二水素ナトリウム液1mL = 2.940mg CaCl2・2H2O
★ 別解:式による対応量の計算
対応量(mg)は下記の計算式を用いても計算できる。
本問では、CaCl2とEDTAの反応について、
CaCl2(目的成分)の化学当量は1、
EDTA(標準液の成分)の化学当量は1である。
エチレンジアミン四酢酸二水素ナトリウム標準液の濃度は0.02mol/L、
CaCl2・2H2Oの分子量は147.01であるので、
対応量(mg)は式を用いて下記のように計算できる。