錯生成定数 Ca2+−EDTAとCa2+−NN指示薬 107回薬剤師国家試験問98の4
107回薬剤師国家試験 問98の4
日本薬局方塩化カルシウム水和物(CaCl2・2H2O:147.01)の定量法に関する記述の正誤を判定してみよう。
4 Ca2+とエチレンジアミン四酢酸との反応で生じたキレートの錯生成定数は、Ca2+とNN 指示薬との反応で生じたキレートの錯生成定数より大きい。
107回薬剤師国家試験 問98の4 解答解説
4 〇 Ca2+とエチレンジアミン四酢酸との反応で生じたキレートの錯生成定数は、Ca2+とNN 指示薬との反応で生じたキレートの錯生成定数より大きい。
本問の定量法は金属指示薬を用いるキレート滴定の直接法である。
終点の検出には、
金属指示薬はキレートを形成している結合型と遊離型とで呈する色が異なることを利用する。
EDTAを滴加する前は、
Ca2+と金属指示薬のNNがキレートを形成し、
溶液の色はNNの結合型の赤色に染まっている。
EDTAを滴加していくと、
Ca2+−EDTAのキレートの錯生成定数はCa2+−NNのキレートの錯生成定数より大きいので、
配位子置換反応が起こり、
Ca2+−NNのキレートがCa2+−EDTAのキレートに置き換わっていき、
それに伴い、遊離型のNNが増えていく。
滴定終点において、
Ca2+−NNのCa2+−EDTAへの置換が完了すると、
溶液の色は結合型NNの赤色から遊離型NNの青色に変わる。