93回薬剤師国家試験問29 チオ硫酸ナトリウム液の標定

96回薬剤師国家試験 問32
日本薬局方容量分析用標準液0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム液の標定に関する記述について、
「ヨウ素酸カリウム (標準試薬) を乾燥した後、その約0.05 gをヨウ素瓶に精密に量り、水25 mLに溶かし、ヨウ化カリウム2 g及び希硫酸10 mLを加え、密栓し、10分間放置した後、水100 mLを加え、遊離したヨウ素を調製したチオ硫酸ナトリウム液で滴定する (指示薬法、又は電位差滴定法: 白金電極) 。
ただし、指示薬法の滴定の終点は液が終点近くで淡黄色になったとき、デンプン試液3 mLを加え、生じた青色が脱色するときとする。同様の方法で空試験を行い、補正し、ファクターを計算する。」
この滴定において、ヨウ素が遊離する反応及びチオ硫酸ナトリウムとヨウ素との反応は次のとおりである。
ただし、KIO3=214.00とする。

 

93回薬剤師国家試験問29 チオ硫酸ナトリウム液の標定

 

[  ]に入れるべき数値はどれか。

 

1 2.140
2 2.675
3 3.567
4 4.280
5 5.350
6 7.133

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93回薬剤師国家試験 問29 解答解説

 

正解は3の3.567である。

 

0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム液1 mL = 3.567mg KIO3

 

 

0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム標準液の標定に関する問題である。

 

まず、ヨウ素酸カリウム(KIO3)にヨウ化カリウム(KI)を加え、ヨウ素(I2)を遊離させる。

 

KIO3 + 5KI + 3H2SO4 = 3K2SO4 + 3H2O + 3I2

 

この反応は、ヨウ素酸イオン(IO3-)を酸化剤、ヨウ化物イオン(I-)を還元剤とする酸化還元反応である。
この反応では、1molのヨウ素酸カリウム(KIO3)から3molのヨウ素(I2)が遊離する。
遊離したヨウ素(I2)をチオ硫酸ナトリウム液(Na2S2O3)で滴定する。

 

I2 + 2 S2O3 2- → 2I- + S4O6 2-

 

この反応は、ヨウ素(I2)を酸化剤、チオ硫酸イオン(S2O3 2-)を還元剤とする酸化還元反応である。
この反応で、1molのI2に対して2molのNa2S2O3が反応する。

 

したがって、ヨウ素酸カリウム(KIO3)とチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)は
モル比1:6で対応する。

 

これを踏まえ、0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム液1mLに対するヨウ素酸カリウムの対応量を求める。
0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム液1mLに含まれるチオ硫酸ナトリウムは0.1mmolである。
ヨウ素酸カリウムとチオ硫酸ナトリウムは1:6で反応するため、
0.1mmolのチオ硫酸ナトリウムは1/6×0.1mmolのヨウ素酸カリウムと反応する。
本問ではヨウ素酸カリウムの分子量を214.00とするので、
1/6×0.1mmolのヨウ素酸カリウムの質量は、
1/6×0.1mmol×214.00 (g/mol) ≒ 3.567mg

 

したがって、
0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム液1mLに対するヨウ素酸カリウムの対応量は下記の通り。

 

0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム液1mL = 3.567 mgKIO3

 

 

★ 別解:式による対応量の計算
対応量(mg)は下記の計算式を応用しても計算できる。

 

93回薬剤師国家試験問29 チオ硫酸ナトリウム液の標定

 

ヨウ素酸カリウムとチオ硫酸ナトリウムは、
モル比1:6で対応する。
チオ硫酸ナトリウム液の濃度は0.1mol/L、
ヨウ素酸カリウムの分子量は214.00であるので、
対応量(mg)は式を用いて下記のように計算できる。

 

93回薬剤師国家試験問29 チオ硫酸ナトリウム液の標定

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