グルクロン酸抱合反応に関する記述 100回薬剤師国家試験問43

100回薬剤師国家試験 問43
グルクロン酸抱合反応に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選びなさい。
1 UDP-グルクロン酸転移酵素により触媒される。
2 シトクロムP450による酸化的代謝物にのみ起こる。
3 UDP-グルクロン酸が必要である。
4 薬物のフェノール性水酸基にも起こる。
5 主に細胞のミクロソーム画分に活性がある。

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100回薬剤師国家試験 問43 解答解説

 

グルクロン酸抱合反応に関する記述のうち、誤っているのは、
選択肢2の「シトクロムP450による酸化的代謝物にのみ起こる」
である。
グルクロン酸抱合は、薬物代謝反応の第U相反応の1種であり、
UDP-グルクロン酸転移酵素が触媒として作用し、
UDP-α-D-グルクロン酸を補酵素とし、
基質にグルクロン酸を結合させ、水溶性を高める反応である。
UDP-グルクロン酸転移酵素は、主に小胞体膜に存在する。
小胞体が含まれるのはミクロソーム画分であるので、
UDP-グルクロン酸転移酵素はミクロソーム画分に活性がある。

 

第U相反応は、必ずしも第T相反応の後に起こるわけではなく、
基質に官能基があれば、第T相反応を経ずに第U相反応が起こる。
ヒドロキシ基,アミノ基,カルボキシ基,チオール基などの供与可能な非共有電子対を有する官能基が、UDP-α-D-グルクロン酸のグルクロン酸の1位炭素に求核攻撃し、
付加すると同時にUDPが脱離し、グルクロン酸抱合体が生成する。
グルクロン酸抱合反応はSN2反応であることから、
グルクロン酸誘導体の立体に着目すると、UDP-α-D-グルクロン酸はα-アノマー(α体)であるが、SN2反応は立体反転を起こすので、グルクロン酸抱合体はβ-アノマー(β体)となる。

 

 

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