CYP3A4の活性を不可逆的に阻害する薬物 105回薬剤師国家試験問44
105回薬剤師国家試験 問44
CYP3A4の活性を不可逆的に阻害するのはどれか。1つ選びなさい。
1 イソニアジド
2 エリスロマイシン
3 シメチジン
4 ファモチジン
5 リファンピシン
105回薬剤師国家試験 問44 解答解説
CYP3A4の活性を不可逆的に阻害するのは、
選択肢2のエリスロマイシンである。
マクロライド系抗生物質の中には、
代謝物または代謝中間体がCYPのヘム鉄と共有結合を形成し、
安定な複合体となることでCYPの活性を阻害する。
この機構によるCYPの阻害は、不可逆的な阻害であり、
新しいCYPが合成されるまで阻害が続くと考えられている。
マクロライド系抗生物質の中でも、
14員環のエリスロマイシンやクラリスロマイシンの阻害能は強く、
15員環のアジスロマイシンや16員環のスピラマイシンの阻害能は弱い。
なお、
グレープフルーツジュースに含まれるフラノクマリン系化合物によるCYP3A4の阻害も、
マクロライド系抗生物質と同じ機構によるものと考えられている。
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