チザニジンと併用禁忌の薬剤と相互作用のメカニズム 98回薬剤師国家試験問272-273

98回薬剤師国家試験 問272−273
65歳男性。保険薬局に異なる診療科の処方せん(処方1、処方2)を同時に持参した。

 

チザニジンと併用禁忌の薬剤と相互作用のメカニズム 98回薬剤師国家試験問272,273

 

問272(実務)
呼吸器内科の処方薬剤のうち、整形外科の処方薬剤と併用禁忌であるのはどれか。
1つ選びなさい。
1 イソニアジド錠
2 シプロフロキサシン錠
3 L-カルボシステイン錠
4 レバミピド錠

 

問273(薬剤)
上記の併用禁忌となる相互作用の主なメカニズムはどれか。1つ選びなさい。
1 キレート形成
2 代謝酵素の阻害
3 トランスポーターの誘導
4 尿pHの変化
5 受容体での拮抗

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98回薬剤師国家試験 問272−273 解答解説

 

チザニジンと併用禁忌の薬剤と相互作用のメカニズム 98回薬剤師国家試験問272,273

 

問272について
呼吸器内科の処方薬剤のうち、
整形外科のチザニジン塩酸塩錠と併用禁忌であるのは、
選択肢2のシプロフロキサシン錠である。

 

問273について
上記の併用禁忌となる相互作用の主なメカニズムは、
選択肢2の代謝酵素の阻害である。

 

チザニジン(テルネリン)は、
主としてCYP1A2で代謝され、不活化される。

 

シプロフロキサシンは、ニューキノロン系抗菌薬である。
ニューキノロン系抗菌薬の中には、CYPを阻害するものがあり、
シプロフロキサシンはCYP1A2やCYP3A阻害作用を示す。

 

よって、チザニジンとシプロフロキサシンを併用すると、
シプロフロキサシンがCYP1A2を阻害し、チザニジンの血中濃度を上昇させる。
その結果、チザニジンによりアドレナリンα2受容体が過剰に刺激され、副作用として、著しい血圧低下,傾眠,めまい及び精神運動能力の低下等があらわれる恐れがある。
チザニジンとシプロフロキサシンの併用により、
チザニジンのCmaxが7倍、AUCが10倍に上昇したとの報告があり、
チザニジンとシプロフロキサシンは併用禁忌となっている。

 

チザニジンと併用禁忌の薬剤と相互作用のメカニズム 98回薬剤師国家試験問272,273

 

 

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