セントジョーンズワートとワルファリンの相互作用 102回薬剤師国家試験問169の4

102回薬剤師国家試験 問169の4
薬物相互作用に関する記述の正誤を判定してみよう。

 

4 セントジョーンズワートの長期摂取により、ワルファリンの消失半減期が延長し、出血傾向が引き起こされる。

トップページへ

 

薬剤師国家試験過去問題 科目別まとめ一覧 へ

 

薬剤師国家試験過去問題 代謝 一覧へ

 

 

102回薬剤師国家試験 問169の4 解答解説

 

4 × セントジョーンズワートの長期摂取により、ワルファリンの消失半減期が延長し、出血傾向が引き起こされる。
→ 〇 セントジョーンズワートの長期摂取により、ワルファリンの消失半減期が短縮し、薬効が減弱する。

 

セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)は、
セントジョーンズワートには、P-糖タンパク(MDR1)の発現誘導作用、
および、小腸や肝臓でのCYPの発現誘導作用があり、
併用薬の血中濃度を低下させ、作用を減弱させるおそれがある。

 

ワルファリンは、光学異性体が存在し、
S−ワルファリンはR−ワーファリンの約5倍の抗凝固活性を示す。
S−ワルファリンは主にCYP2C9による代謝で消失し、
R−ワルファリンはCYP1A2やCYP3A4などによる代謝で消失する。

 

よって、ワルファリンとセントジョーンズワートを併用すると、
セントジョーンズワートのCYP誘導作用により、
ワルファリンの代謝が促進され、ワルファリンの薬効が減弱する。
このことから、ワルファリンとセントジョーンズワートは併用注意となっている。

 

ワルファリンとセントジョーンズの併用による相互作用 薬学102回問169の4

トップへ戻る