薬物代謝に関する記述 91回薬剤師国家試験問156
91回薬剤師国家試験 問156
薬物代謝に関する記述のうち、正しいものはどれか。2つ選びなさい。
a 薬物代謝酵素は、ミクロソーム分画のみに存在している。
b シトクロムP450(CYP)による基本的な代謝様式は、加水分解である。
c フェニトインは、CYPによって酸化される。
d コデインは、代謝を受けてモルヒネに変換され、鎮痛作用が増強される。
91回薬剤師国家試験 問156 解答解説
◆ aについて
a × 薬物代謝酵素は、ミクロソーム分画のみに存在している。
細胞のホモジネートを遠心分離して得られる分画において、
薬物代謝酵素は、
小胞体を含むミクロソーム画分のみならず、
細胞質を含む可溶性画分や、
ミトコンドリアやリソソームを含むミトコンドリア画分にも存在している。
◆ bについて
b × シトクロムP450(CYP)による基本的な代謝様式は、加水分解である。
シトクロムP450による代謝様式は、基本的に酸化であり、
一部還元もあるが、加水分解はない。
◆ cについて
c ○ フェニトインは、CYPによって酸化される。
フェニトイン(アレビアチン)は、
主にCYP2C9及び一部CYP2C19で代謝されて不活化する。
その反応は、主にフェニル基の1つにヒドロキシ基が導入される酸化反応である。
◆ dについて
d ○ コデインは、代謝を受けてモルヒネに変換され、鎮痛作用が増強される。
コデインは、CYP2D6によりO-脱メチル化されると、
活性代謝物であるモルヒネとなる。