薬物とその活性代謝物 90回薬剤師国家試験問157
90回薬剤師国家試験 問157
次の薬物とその活性代謝物との対応のうち、正しいものはどれか。
3つ選びなさい。
90回薬剤師国家試験 問157 解答解説
薬物とその活性代謝物との対応のうち、
正しいものは、選択肢b,c,eである。
◆ a:プリミドンの代謝物について
プリミドンは、主として肝臓で一部が酸化を受け、
フェノバルビタールとフェニルエチルマロンアミドになる。
これらはいずれも薬理活性を有する活性代謝物である。
◆ b:アミトリプチリンの代謝物について
アミトリプチリン(トリプタノール)は、
N-脱メチル化を受け、
ノルトリプチリン(ノリトレン)になる。
ノルトリプチリンは、薬理活性を有する活性代謝物である。
◆ c:イミプラミンの代謝物について
イミプラミン(トフラニール)は、CYP2D6により水酸化を受け2−ヒドロキシ体となり、
CYP1A2,CYP3A4,CYP2C19によりN-脱メチル化を受け活性代謝物であるデシプラミンとなる。
デシプラミンの鎮静作用,抗うつ作用はイミプラミンと同様で,ノルアドレナリン再取込み阻害作用はイミプラミンより強い。
なお、イミプラミンとデシプラミンのCYP2D6による代謝物の2−ヒドロキシ体は、
イミプラミンの未変化体と同程度のノルアドレナリン及びセロトニン再取り込み阻害作用を示す。
イミプラミンとデシプラミンの2−ヒドロキシ体は、グルクロン酸抱合を受け、排泄される。
◆ d:ニトラゼパムの代謝物について
ニトラゼパム(ベンザリン)は、大部分が肝臓で代謝されるが、
ジアゼパムは生成しない。
◆ e:アロプリノールの代謝物について
アロプリノール(ザイロリック)は、
大部分がキサンチンオキシダーゼで代謝されてオキシプリノールとなるが、
オキシプリノールはキサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する活性代謝物である。