薬物間相互作用 92回薬剤師国家試験問225

92回薬剤師国家試験 問225
以下の注射薬と内服薬が併用された場合、薬物間相互作用が問題となる組合せはどれか。
3つ選びなさい。

 

薬物間相互作用が問題となる組合せ 92回薬剤師国家試験問225

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92回薬剤師国家試験 問225 解答解説

 

薬物間相互作用が問題となる組合せは、
a,c,dである。

 

薬物間相互作用が問題となる組合せ 92回薬剤師国家試験問225

 

 

◆ a:フルコナゾールとトリアゾラムの相互作用

 

構造中にイミダゾール環やトリアゾール環などの含窒素複素環を有する化合物は、
複素環の窒素原子がCYPのヘム鉄に配位結合することにより、
CYPによる代謝を阻害する。
この機構によるCYPの阻害は、可逆的な阻害だと考えられている。
フルコナゾールは、構造中にトリアゾール環を有しており、
CYP2C9、2C19及び3A4に対して、
ヘム鉄への配位による可逆的阻害作用を示す。

 

トリアゾラム(ハルシオン)は、主にCYP3A4で代謝されて消失する。
フルコナゾールとトリアゾラムを併用すると、
フルコナゾールのCYP3A4阻害作用により、トリアゾラムの代謝が阻害され、
トリアゾラムの作用の増強及び作用時間の延長が引き起こされ、
その影響は著しいと考えられる。

 

薬物間相互作用が問題となる組合せ 92回薬剤師国家試験問225

 

 

◆ c:フルルビプロフェンアキセチルとノルフロキサシンの相互作用

 

ニューキノロン系抗菌剤と非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)を併用すると、
ニューキノロン系抗菌剤のGABAA阻害作用が、
非ステロイド性消炎鎮痛剤により増強され、痙攣を起こすことがある。
そのため、ニューキノロン系抗菌剤と非ステロイド性消炎鎮痛剤の併用は、
薬剤の組み合わせにより、禁忌であったり、併用注意であったりする。
NSAIDsのフルルビプロフェン経口剤(フロベン),
フルルビプロフェンアキセチル注射剤(ロピオン),
エスフルルビプロフェン・ハッカ油経皮吸収製剤(ロコアテープ)は、
ニューキノロン系抗菌薬のノルフロキサシン,ロメフロキサシン,プルリフロキサシン,エノキサシン水和物との併用は禁忌とされている。

 

薬物間相互作用が問題となる組合せ 92回薬剤師国家試験問225

 

 

◆ d:パニペネム・ベタミプロンとバルプロ酸ナトリウムの相互作用

 

バルプロ酸ナトリウム(デパケン)と、
パニペネム,メロペネム,ドリペネムなどのカルバペネム系抗生物質を併用すると、
バルプロ酸の血中濃度が低下し、てんかん発作が再発することがある。
そのため、バルプロ酸ナトリウムとカルバペネム系抗生物質は併用禁忌となっている。
この相互作用のメカニズムは不明である。

 

薬物間相互作用が問題となる組合せ 92回薬剤師国家試験問225

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