肝機能障害により投与量の調節が必要となる薬物 92回薬剤師国家試験問159
92回薬剤師国家試験 問159
肝機能障害により肝臓での薬物代謝能や肝血流量が低下している患者において、
投与量の調節が必要となる薬物はどれか。2つ選びなさい。
92回薬剤師国家試験 問159 解答解説
肝機能障害により肝臓での薬物代謝能や肝血流量が低下している患者において、
投与量の調節が必要となる薬物は、
bのフェニトインとcのリドカインである。
フェニトイン(アレビアチン)は、
主にCYP2C9及び一部CYP2C19で代謝されて消失する。
リドカイン(キシロカイン)は、
主にCYP1A2及びCYP3A4 により代謝されて消失する。
よって、フェニトインとリドカインは、
肝機能障害のある患者に投与する際、用量調節が必要となる。
以下、他の選択肢の薬物について
aのバンコマイシンは、
主に未変化体として糸球体ろ過により尿中に排泄されて消失する。
dのジゴキシンは、
主に未変化体として糸球体ろ過と尿細管分泌により尿中排泄されて消失する。
よって、バンコマイシンとジゴキシンは、
腎機能に応じて投与量・投与間隔の調節が必要となる。