87回薬剤師国家試験問24 核磁気共鳴法に関する記述

第87回薬剤師国家試験 問24
核磁気共鳴法に関する記述の正誤を判定してみよう。

 

a 核磁気共鳴法の対象となる核種として主にプロトンを用いるのは,その原子量が最も小さいためである。

 

b 分子中の各プロトンの低エネルギーのスピン状態を高エネルギー状態に遷移させるラジオ波の周波数(ν)は下記の式で与えられる。

 

87回薬剤師国家試験問24 核磁気共鳴法に関する記述

 

c テトラメチルシランのメチルプロトンは,ベンゼンの芳香環プロトンに比べて磁気的遮へいが少ない。

 

d 一般に化学シフトは,ppm単位で表し,スピン-スピン結合定数はヘルツ(Hz)単位で表す。

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第87回薬剤師国家試験 問24 解答解説

 

◆ aについて
a × 核磁気共鳴法の対象となる核種として主にプロトンを用いるのは,その原子量が最も小さいためである。

 

核スピン量子数が1/2の原子核は高分解能のNMRスペクトルを得ることができる。
核スピン量子数が1/2の原子核として1H,13C,15N,19F,31Pが挙げられる。

 

核磁気共鳴法で主に1Hが用いられる理由として下記のことが挙げられる。
・1Hは核スピン量子数(I)が1/2で高分解能のNMRスペクトルを得ることができる。
・1Hはほとんどの有機化合物に含まれる。
・1Hは天然同位体存在比が100%に近い。

 

 

◆ bについて
b ○ 分子中の各プロトンの低エネルギーのスピン状態を高エネルギー状態に遷移させるラジオ波の周波数(ν)は下記の式で与えられる。

 

87回薬剤師国家試験問24 核磁気共鳴法に関する記述

 

 

◆ cについて
c × テトラメチルシランのメチルプロトンは,ベンゼンの芳香環プロトンに比べて磁気的遮へいが少ない。
→ 〇 テトラメチルシランのメチルプロトンは,ベンゼンの芳香環プロトンに比べて磁気的遮へいが大きい。

 

詳細は下記のリンク先を参照
87回問24のc

 

 

◆ dについて
d 〇 一般に化学シフトは,ppm単位で表し,スピン-スピン結合定数はヘルツ(Hz)単位で表す。

 

化学シフトについては下記のリンク先を参照
化学シフトとは

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