NMR イソプロピル基のシグナル 102回薬剤師国家試験問108

第102回薬剤師国家試験 問108
下図は、ある化合物の1H-NMR スペクトル(400MHz、CDCl3、基準物質はテトラメチルシラン(TMS))である。この化合物の構造式として正しいのはどれか。1つ選びなさい。
なお、イのシグナルは一重線であり、拡大図A、B及びCの拡大率はそれぞれ異なる。また、エのシグナルはヒドロキシ基のプロトンに由来する。

 

NMR イソプロピル基のシグナル 102回薬剤師国家試験問108

 

 

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第102回薬剤師国家試験 問108 解答解説

 

正解は1である。

 

NMR イソプロピル基のシグナル 102回薬剤師国家試験問108

 

 

以下、詳細

 

設問のスペクトルより、
アの6Hの二重線と
ウの1Hの七重線のシグナルより、
下記のイソプロピル基の存在が考えられる。

 

NMR イソプロピル基のシグナル 102回薬剤師国家試験問108

 

これより、
イソプロピル基を有する選択肢の1か2に絞られる。

 

NMR イソプロピル基のシグナル 102回薬剤師国家試験問108

 

選択肢2の化合物には−O−CH3(メトキシ基)がある。
−O−CHのHのシグナルの化学シフトは3.5〜5ppm付近である。
よって、−O−CH3(メトキシ基)のHのシグナルは
3.5〜5ppm付近に3Hの一重線として現れる。

 

しかし、設問のスペクトルのイの3Hの一重線の化学シフトは2.3ppmであり、
−O−CH3のHにしては高磁場側過ぎる。
したがって、−O−CH3(メトキシ基)を持つ選択肢2は消去できる。

 

以上より、
1が正解となる。

 

NMR イソプロピル基のシグナル 102回薬剤師国家試験問108

 

 

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