核磁気共鳴スペクトル測定法に関する記述のうち、正しいのはどれか 102回薬剤師国家試験問99
第102回薬剤師国家試験 問99
核磁気共鳴スペクトル測定法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選びなさい。
1 核磁気共鳴スペクトルの測定には、一般にラジオ波領域の電磁波が用いられる。
2 19Fを利用して有機化合物中にあるフッ素の核磁気共鳴スペクトルを測定できる。
3 ベンゼンの水素は、π電子による遮へい効果を受ける。
4 測定溶媒中に重水を添加することにより、アルケンに結合している水素のシグナルを消失または移動させることができる。
5 プロトン間のスピン-スピン結合定数は、外部磁場の強さの影響を受ける。
第102回薬剤師国家試験 問99 解答解説
◆ 1について
1 ○ 核磁気共鳴スペクトルの測定には、一般にラジオ波領域の電磁波が用いられる。
詳細は下記のリンク先を参照
核磁気共鳴スペクトル測定法で利用される電磁波 93回問33a
◆ 2について
2 ○ 19Fを利用して有機化合物中にあるフッ素の核磁気共鳴スペクトルを測定できる。
詳細は下記のリンク先を参照
102回問99の2
◆ 3について
3 × ベンゼンの水素は、π電子による遮へい効果を受ける。
→ 〇 ベンゼンの水素は、π電子による反遮へい効果を受ける。
詳細は下記のリンク先を参照
102回問99の3
◆ 4について
4 × 測定溶媒中に重水を添加することにより、アルケンに結合している水素のシグナルを消失または移動させることができる。
重水添加によりアルケンに結合する水素のシグナルは消失・移動しない。
OH,NH,SHなどN,O,Sといったヘテロ原子に結合するHは重水(D2O)添加により重水素(D)と置換する。
1H-NMRでは、ヘテロ原子に結合するHのシグナルは重水添加で消失する。
このことから、重水添加によりシグナルが消失すればOHやNHの存在が考えられる。
◆ 5について
5 × プロトン間のスピン-スピン結合定数は、外部磁場の強さの影響を受ける。
スピン−スピン結合定数は、
外部磁場の強度や共鳴数波数の値とは関係がない。
スピン−スピン結合定数については下記のリンク先を参照
スピン−スピン結合定数とは
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