83回薬剤師国家試験問23 核磁気共鳴 周辺電子の状態と共鳴位置

第83回薬剤師国家試験 問23
核磁気共鳴に関する次の記述の正誤を判定してみよう。

 

a 核磁気共鳴は原子核スピンの励起に伴う現象なので、周辺電子の状態は共鳴位置に影響を及ぼさない。

 

b 核磁気共鳴スペクトルの測定には、赤外線より波長の短いラジオ波領域の電磁波が用いられる。

 

c 通例、溶媒として有機溶媒を用いた場合は、内部基準物質としてテトラメチルシラン(TMS)を用いる。

 

d プロトン間のスピン-スピン結合定数は、外部磁場の強さには影響されない。

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第83回薬剤師国家試験 問23 解答解説
◆ aについて
a × 核磁気共鳴は原子核スピンの励起に伴う現象なので、周辺電子の状態は共鳴位置に影響を及ぼさない。

 

NMRにおいては、
原子核の周辺電子の状態により共鳴周波数に差が生じる。
この差は化学シフトとして表される。
詳細は下記のリンク先を参照
化学シフトとは?

 

 

◆ bについて
b × 核磁気共鳴スペクトルの測定には、赤外線より波長の短いラジオ波領域の電磁波が用いられる。
→ 〇 核磁気共鳴スペクトルの測定には、赤外線より波長の長いラジオ波領域の電磁波が用いられる。

 

詳細は下記のリンク先を参照
電磁波の波長・波数と対応する分析法 91回問25

 

 

◆ cについて
c ○ 通例、溶媒として有機溶媒を用いた場合は、内部基準物質としてテトラメチルシラン(TMS)を用いる。

 

詳細は下記のリンク先を参照
NMRの基準物質として用いられるTMSはテトラメチルシラン 100回問108の1

 

 

◆ dについて
d ○ プロトン間のスピン-スピン結合定数は、外部磁場の強さには影響されない。

 

スピン−スピン結合定数については下記のリンク先を参照
スピン−スピン結合定数とは

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