92回薬剤師国家試験問30 NMR,アスピリン,アセトアミノフェン,サリチル酸メチル,パラオキシ安息香酸メチル
92回薬剤師国家試験 問30
日本薬局方医薬品アスピリン、アセトアミノフェン、サリチル酸メチル及びパラオキシ安息香酸メチルの構造式と1H-NMRスペクトル(a〜d)について、正しく組み合わせなさい。
各スペクトルは重水素化溶媒dimethylsulfoxided6中で測定しているが、
測定溶媒に基づくシグナルは除いてある。
各スペクトル中の枠内は拡大スペクトルを示し、
拡大領域以外のピークはすべてシングレット(一重線)である。
92回薬剤師国家試験 問30 解答解説
◆ aについて
7〜8ppm前後の4つの1Hのシグナルより、
異なる2つの基が置換した1,2−二置換ベンゼンか1,3−二置換ベンゼンだと考えられる。
さらに、4ppm付近の3Hの一重線より、
−O−CH3(メトキシ基)があると考えられる。
−O−CHのHの化学シフト値は4〜5ppm前後と覚えておこう。
以上から、aはサリチル酸メチルが該当する。
◆ bについて
7〜8ppm前後の4つの1Hのシグナルより、
異なる2つの基が置換した1,2−二置換ベンゼンか1,3−二置換ベンゼンだと考えられる。
さらに、2〜3ppmの3Hの一重線より、
−C(=O)−CH3か
Ph−CH3が存在すると考えられる。
以上から、bはアスピリンが該当する。
◆ cについて
7〜8ppm前後の2つの2Hの二重線より、
異なる2つの基が置換した1,4−二置換ベンゼン(p-二置換ベンゼン)だと考えられる。
さらに、4ppm付近の3Hの一重線より、
−O−CH3(メトキシ基)があると考えられる。
−O−CHのHの化学シフト値は4〜5ppm前後と覚えておこう。
以上から、cはパラオキシ安息香酸メチルが該当する。
◆ dについて
7〜8ppm前後の2つの2Hの二重線より、
異なる2つの基が置換した1,4−二置換ベンゼン(p-二置換ベンゼン)だと考えられる。
さらに、2〜3ppmの3Hの一重線より、
−C(=O)−CH3か
Ph−CH3が存在すると考えられる。
以上から、dはアセトアミノフェンが該当する。