89回薬剤師国家試験問25 エチニルエストラジオール,デキサメタゾン,スピロノラクトンの1H-NMR
89回薬剤師国家試験 問25
次の日本薬局方医薬品エチニルエストラジオール、デキサメタゾン、スピロノラクトンの構造式及び1H NMRスペクトル(300 MHz)のうち、エチニルエストラジオールの構造式と1H NMRスペクトルはどれか。
89回薬剤師国家試験 問25 解答解説
エチニルエストラジオールは女性ホルモンであるため芳香環を有する。
よって、cがエチニルエストラジオールだとわかる。
また、エチニルエストラジオールはアルキンを有することも特徴的である。
なお、
aはデキサメタゾン、
bはスピロノラクトンの構造である。
エチニルエストラジオールは芳香環に3つの水素を有するので、
7〜8ppm前後に計3H分のシグナルが現れるはずである。
さらに、−CH3は1つなので、1つだけ3H分のシグナルが現れるはずである。
以上より、イがエチニルエストラジオールのスペクトルに該当すると考えられる。
なお、アルキンプロトンの化学シフト値は1.5〜3ppm前後である。
以下、
他のスペクトルについて
aのデキサメタゾンにはアルケンの水素が3つあり、
bのスピロノラクトンにはアルケンの水素が1つある。
アルケンプロトンの化学シフト値は4.5〜7.5ppm前後である。
ロのスペクトルはアルケンプロトンと考えられるシグナルが1つ見られるのでbのスピロノラクトンが該当し、
ハのスペクトルはアルケンプロトンと考えられるシグナルが複数見られるのでaのデキサメタゾンが該当すると考えられる。