固形製剤の評価に用いられる一般試験法 102回薬剤師国家試験問178
102回薬剤師国家試験 問178
固形製剤の評価に用いられる一般試験法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選びなさい。
1 腸溶錠の崩壊試験では、崩壊試験第1液中で耐酸性を評価した後、試験に用いた錠剤を引き続き使用して、崩壊試験第2液中での崩壊性を判定する。
2 収着-脱着等温線測定法における水分の収着とは、医薬品粉体に水分の吸着及び吸収の両方が起こることである。
3 溶出試験法の1つであるフロースルーセル法は、徐放性製剤の試験方法であり、即放性製剤には適用されない。
4 製剤均一性試験法において、医薬品の有効成分含量が25mg 以上かつ有効成分濃度が25%以上の素錠の場合には、質量偏差試験が適用できる。
5 製剤の粒度の試験法で用いるふるいは、18号のふるいの方が、30号のふるいに比べてより細かい粒子をふるい分けることができる。
102回薬剤師国家試験 問178 解答解説
◆ 1について
1 × 腸溶錠の崩壊試験では、崩壊試験第1液中で耐酸性を評価した後、試験に用いた錠剤を引き続き使用して、崩壊試験第2液中での崩壊性を判定する。
腸溶性製剤の崩壊試験では、
pH 1.2の第1液では崩壊せず、pH 6.8の第2液では崩壊することを試験するが、
第1液及び第2液による二つの試験が別々に行われる。
第1液の試験で用いた錠剤を第2液の試験で引き続き使用しない。
◆ 2について
2 〇 収着-脱着等温線測定法における水分の収着とは、医薬品粉体に水分の吸着及び吸収の両方が起こることである。
収着-脱着等温線測定法は、医薬品粉体について、固体−水間の相互作用を評価するために用いられる。
水は二つの様式で固体と物理的に相互作用をする。すなわち,表面においてのみ相互作用する吸着か,又は固体中へ浸透する吸収かである。吸着と吸収の両方が起こるときは,収着という用語が用いられる。
◆ 3について
3 × 溶出試験法の1つであるフロースルーセル法は、徐放性製剤の試験方法であり、即放性製剤には適用されない。
→ 〇 溶出試験法の1つであるフロースルーセル法は、徐放性製剤と即放性製剤に適用される。
溶出試験法には、回転バスケット法,パドル法,フロースルーセル法がある。
回転バスケット法とパドル法は、即放性製剤,徐放性製剤,腸溶性製剤の全てに適用される。
フロースルーセル法は、即放性製剤と徐放性製剤には適用されるが、腸溶性製剤には適用されない。
◆ 4について
4 〇 製剤均一性試験法において、医薬品の有効成分含量が25mg以上かつ有効成分濃度が25%以上の素錠の場合には、質量偏差試験が適用できる。
詳細は下記のリンク先を参照
製剤均一性試験法で質量偏差試験が適用できる場合 94回問180a
◆ 5について
5 × 製剤の粒度の試験法で用いるふるいは、18号のふるいの方が、30号のふるいに比べてより細かい粒子をふるい分けることができる。
番号の大きいふるいの方が、より細かい粒子をふるい分けることができる。
よって、30号ふるいの方が、18号ふるいに比べてより細かい粒子をふるい分けることができる。
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