薬剤師国家試験過去問題集 一般試験法・製剤試験法

散剤に対して規定されている試験法はどれか 98回薬剤師国家試験問55

98回薬剤師国家試験 問55
日本薬局方で散剤に対して規定されている試験法はどれか。1つ選びなさい。
1 エンドトキシン試験法
2 不溶性微粒子試験法
3 微生物限度試験法
4 重金属試験法
5 溶出試験法

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98回薬剤師国家試験 問55 解答解説

 

日本薬局方で散剤に対して規定されている試験法は、
5の溶出試験法である。
溶出試験は,経口製剤からの有効成分の溶出について、溶出試験規格に適合しているかどうかを判定するために行うものであるが,併せて著しい生物学的非同等を防ぐことを目的としている。

 

溶出試験法が適用される製剤は、錠剤,カプセル剤,顆粒剤,散剤,経口液剤の懸濁剤,シロップ剤の懸濁した製剤,経口ゼリー剤,経口フィルム剤である。

 

なお、散剤に対して規定されている試験法は、
溶出試験法と製剤均一性試験法(分包品のみ)である。

 

以下、他の選択肢についての解説

 

1のエンドトキシン試験法は、
カブトガニの血球抽出成分より調製されたライセート試薬を用いて、
グラム陰性菌由来のエンドトキシンを検出又は定量する方法である。
エンドトキシン試験法は、
注射剤(皮内,皮下及び筋肉内投与のみに用いるものを除く),および,
透析用剤に対して規定されている。
関連問題
皮内、皮下及び筋肉内投与のみに用いる水性溶剤はエンドトキシン試験法の適用を受ける? 100回問177の2

 

2の不溶性微粒子試験法は、
不溶性微粒子の大きさ及び数を試験する方法であり、
注射剤,腹膜透析用剤,点眼剤に対して規定されている。

 

3の微生物限度試験法は、
非無菌製剤の原料や製剤が既定の微生物学的品質規格に適合するか否かを判定する試験である。
微生物限度試験法は、非無菌性剤に対して、微生物による汚染や増殖を避けるために,必要に応じて適用される。

 

4の重金属試験法は、医薬品中に混在する重金属の限度試験であり、
エキス剤と流エキス剤に対して規定されている。
なお、ここでいう重金属とは,酸性で硫化ナトリウム試液によって呈色する金属性混在物をいい,その量は鉛(Pb)の量として表す。
重金属試験法の操作は、検液及び比較液に硫化ナトリウム試液1滴ずつを加えて混和し,両管を白色の背景を用い,液の色を比較する。検液の呈する色は,比較液の呈する色より濃くないなら適合となる。

 

 

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