局方の一般試験法に関する記述 87回薬剤師国家試験問179
87回薬剤師国家試験 問179
局方の一般試験法に関する記述の正誤について,正しいものはどれか。
a 鉱油試験法は,注射剤及び点眼剤に用いる鉱油の純度を求める方法である。
b 溶出試験法は,内用固形製剤からの主成分の溶出を試験する方法である。
c 発熱性物質試験法は,発熱性物質の存在をカブトガニの血球抽出成分を用いて試験する方法である。
d アルコール数測定法は,内用固形製剤中の残留アルコールの定量に用いる方法である。
87回薬剤師国家試験 問179 解答解説
◆ aについて
a × 鉱油試験法は,注射剤及び点眼剤に用いる鉱油の純度を求める方法である。
鉱油試験法は,注射剤及び点眼剤に用いる非水性溶剤中に鉱油が含まれないことを確認する試験である。
◆ bについて
b 〇 溶出試験法は,内用固形製剤からの主成分の溶出を試験する方法である。
溶出試験は,経口製剤からの有効成分の溶出について、溶出試験規格に適合しているかどうかを判定するために行うものであるが,併せて著しい生物学的非同等を防ぐことを目的としている。
溶出試験法が適用される製剤は、錠剤,カプセル剤,顆粒剤,散剤,経口液剤の懸濁剤,シロップ剤の懸濁した製剤,経口ゼリー剤,経口フィルム剤である。
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◆ cについて
c × 発熱性物質試験法は,発熱性物質の存在をカブトガニの血球抽出成分を用いて試験する方法である。
発熱性物質試験法は,試料中の発熱性物質の存在をウサギを用いて試験する方法であり、
試料を投与されたウサギの体温上昇度により判定するが、
カブトガニの血球抽出成分は用いられない。
カブトガニの血球抽出成分を用いて試験する方法は、エンドトキシン試験法である。
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◆ dについて
d × アルコール数測定法は,内用固形製剤中の残留アルコールの定量に用いる方法である。
日本薬局方のアルコール数測定法は,チンキ剤又はその他のエタノールを含む製剤について、15℃における試料10 mL当たりのエタノール層の量(mL)を測定する試験である。内用固形製剤には適用されない。
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