薬剤師国家試験過去問題集 一般試験法・製剤試験法

83回薬剤師国家試験問180 日本薬局方一般試験法

83回薬剤師国家試験 問180
日本薬局方一般試験法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
a アルコール数は、蒸留法あるいはガスクロマトグラフ法により測定する。
b 浸透圧測定法では、通例、沸点上昇度を測定する浸透圧計を用いる。
c 鉱油試験法は、注射剤及び点眼剤に用いる非水性溶剤中の鉱油を試験する方法である。
d 液体の粘度は、毛細管粘度計法、落球粘度計法あるいは回転粘度計法により測定する。

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83回薬剤師国家試験 問180 解答解説

 

◆ aについて
a 〇 アルコール数は、蒸留法あるいはガスクロマトグラフ法により測定する。

 

日本薬局方のアルコール数測定法は,チンキ剤又はその他のエタノールを含む製剤について、15℃における試料10 mL当たりのエタノール層の量(mL)を測定する試験である。
アルコール数測定法には蒸留法とガスクロマトグラフ法がある。

 

関連問題
日本薬局方のアルコール数測定法とは 87回問179d

 

 

◆ bについて
b × 浸透圧測定法では、通例、沸点上昇度を測定する浸透圧計を用いる。
→ 〇 浸透圧測定法では、通例、凝固点降下度を測定する浸透圧計を用いる。

 

日本薬局方の浸透圧測定法は、
試料のオスモル濃度を凝固点降下法を用いて測定する方法が定められている。

 

関連問題
浸透圧と凝固点降下度とオスモル濃度の関係 94回問22d

 

 

◆ cについて
c 〇 鉱油試験法は、注射剤及び点眼剤に用いる非水性溶剤中の鉱油を試験する方法である。

 

鉱油試験法は,注射剤及び点眼剤に用いる非水性溶剤中に鉱油が含まれないことを確認する試験である。

 

 

◆ dについて
d × 液体の粘度は、毛細管粘度計法、落球粘度計法あるいは回転粘度計法により測定する。
→ 〇 液体の粘度は、毛細管粘度計法、あるいは回転粘度計法により測定する。

 

回転粘度計はニュートン流体と非ニュートン流体のいずれの粘度測定にも用いられる。

 

一方、ウベローデ型粘度計,オストワルド型粘度計などの毛細管粘度計は、ニュートン流体の粘度測定に用いられるが、非ニュートン流体の粘度測定には用いられない。

 

関連問題
回転粘度計が適用される流体 95回問17d

 

ウベローデ型,オストワルド型粘度計などの毛細管粘度計の適する流体 94回薬問173d

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