半固形製剤の試験に用いられる装置 90回薬剤師国家試験問180
90回薬剤師国家試験 問180
次の図は、半固形製剤の試験に用いられる装置の模式図である。その測定目的として正しいものはどれか。
90回薬剤師国家試験 問180 解答解説
正解は4である。
◆ Aについて
Aはスプレッドメーター(平行板粘度計)であり、半固形製剤の流動学的測定法の展延性試験法で用いる装置である。
スプレッドメーターは,水平に置かれた2枚の平行板(荷重板及び固定板)の間に挟まれた試料が荷重板の自重によって押し出され同心円状に広がっていく特性を経時的に観察して,その広がり直径等を測定する装置であり、その結果より半固形製剤の展延性(延び)を評価する。
◆ Bについて
Bはペネトロメーター(稠度計)であり、半固形製剤の流動学的測定法の稠度試験法で用いる装置である。
稠度試験法は,半固形製剤の硬さ・軟らかさを測定する試験法である。
ペネトロメーターは,試料へ円錐が進入する距離を測定する装置であり,数値が小さいほど試料が硬いことを示す。
◆ Cについて
Cは共軸二重円筒形回転粘度計(クェット型粘度計)であり、
粘度測定法で用いる装置である。
液体中を一定の角速度で回転するローターに作用する力(トルク)をバネのねじれ度で検出し,粘度に換算する原理等を応用した測定法である。
共軸二重円筒形回転粘度計は,同一中心軸を持つ外筒及び内筒の隙間に液体を満たし,内筒又は外筒を回転させるとき,液体を介して円筒間に伝わるトルク(力)及びそれに対応する角速度を測定する。
その測定結果から、換算式により粘度を算出する。
回転粘度計は、ニュートン流体及び非ニュートン流体の
いずれ粘度測定にも用いられる。