熱質量測定法は融解や多形転移などの相変化を検出することができる? 90回薬剤師国家試験問179c
90回薬剤師国家試験 問179c
日本薬局方一般試験法に関する記述の正誤を判定してみよう。
c 熱質量測定法(TG)では、試料の温度上昇にともなって起こる融解や多形転移などの相変化を検出することができる。
90回薬剤師国家試験 問179c 解答解説
c × 熱質量測定法(TG)では、試料の温度上昇にともなって起こる融解や多形転移などの相変化を検出することができる。
熱分析法に関する問題である。
熱質量測定法 (TG:Thermogravimetry )は、
温度の関数として試料物質の質量を測定する方法である。
よって、熱質量測定法では、融解や多形転移などの質量変化を伴わない現象を検出することはできない。
なお、cの記述の「試料の温度上昇にともなって起こる融解や多形転移などの相変化を検出することができる」のは示差走査熱量測定法(DSC:Differential Scanning Calorimetry)である。
示差走査熱量測定法は,物質又は物質の混合物の,昇温又は降温中に発生するエネルギー現象の測定,更に,エンタルピーや比熱の変化及びそれらが起こる温度の測定を行うのに用いられる方法である。