95回薬剤師国家試験問179 日本薬局方一般試験法
95回薬剤師国家試験 問179
日本薬局方一般試験法に関する記述のうち、正しいものはどれか。
a 浸透圧測定法は、試料のオスモル濃度を凝固点降下法を用いて測定する方法である。
b 軟カプセル剤の質量偏差試験では、個々の質量から対応するカプセル被包の質量を差し引いた値を内容物の質量として判定する。
c 熱質量測定法 ( TG ) では、結晶試料の温度上昇にともなって現れる融解ピークから融点を求めることができる。
d 鉱油試験法は、注射剤及び点眼剤に用いる鉱油の純度を求める方法である。
95回薬剤師国家試験 問179 解答解説
◆ aについて
a 〇 浸透圧測定法は、試料のオスモル濃度を凝固点降下法を用いて測定する方法である。
◆ bについて
b 〇 軟カプセル剤の質量偏差試験では、個々の質量から対応するカプセル被包の質量を差し引いた値を内容物の質量として判定する。
カプセル剤の質量偏差試験では、軟カプセルでも硬カプセルでも、
個々の質量から対応するカプセル被包の質量を差し引いた値を内容物の質量として判定する。
◆ cについて
c × 熱質量測定法 ( TG ) では、結晶試料の温度上昇にともなって現れる融解ピークから融点を求めることができる。
熱分析法に関する問題である。
熱質量測定法 (TG:Thermogravimetry )は、
温度の関数として試料物質の質量を測定する方法である。
よって、熱質量測定法では、融解や多形転移などの質量変化を伴わない現象を検出することはできない。
なお、cの記述の「結晶試料の温度上昇にともなって現れる融解ピークから融点を求めることができる」のは示差走査熱量測定法(DSC:Differential Scanning Calorimetry)である。
示差走査熱量測定法は,物質又は物質の混合物の,昇温又は降温中に発生するエネルギー現象の測定,更に,エンタルピーや比熱の変化及びそれらが起こる温度の測定を行うのに用いられる方法である。
関連問題
熱質量測定法は融解などの相変化を検出することができる? 90回問179c
◆ dについて
d × 鉱油試験法は、注射剤及び点眼剤に用いる鉱油の純度を求める方法である。
鉱油試験法は,注射剤及び点眼剤に用いる非水性溶剤中に鉱油が含まれないことを確認する試験である。