93回薬剤師国家試験問179 日本薬局方一般試験法に関する記述
93回薬剤師国家試験 問179
日本薬局方一般試験法に関する記述のうち、正しいものはどれか。
a 注射剤の不溶性異物検査法は、不溶性異物の有無を肉眼で観察する検査法である。
b エンドトキシン試験法は、エンドトキシンの存在をウサギの体温変化により判定する試験法である。
c 製剤均一性試験法は、個々の製剤の間での有効成分含量の均一性を試験する試験法である。
d 溶出試験法は、経口製剤及び坐剤からの主薬の溶出性を試験する試験法である。
93回薬剤師国家試験 問179 解答解説
◆ aについて
a 〇 注射剤の不溶性異物検査法は、不溶性異物の有無を肉眼で観察する検査法である。
関連問題
注射剤の不溶性微粒子試験法とは 105回問183の2
◆ bについて
b × エンドトキシン試験法は、エンドトキシンの存在をウサギの体温変化により判定する試験法である。
エンドトキシン試験法は、
カブトガニの血球抽出成分より調製されたライセート試薬を用いて、
グラム陰性菌由来のエンドトキシンを検出又は定量する方法である。
エンドトキシン試験法には,エンドトキシンの作用によるライセート試液のゲル形成を指標とするゲル化法及び光学的変化を指標とする光学的定量法(比濁法と比色法)がある。
エンドトキシン試験法は、
注射剤(皮内,皮下及び筋肉内投与のみに用いるものを除く),注射剤を製するに用いる溶剤,添付された溶解液,および,
透析用剤に対して規定されている。
なお、ウサギの体温変化により判定する試験法は発熱性物質試験法である。
発熱性物質試験法は,試料中の発熱性物質の存在をウサギを用いて試験する方法であり、
試料を投与されたウサギの体温上昇度により判定する。
注射剤,注射剤を製するに用いる溶剤,添付された溶解液で、エンドトキシン試験法の適用が困難な場合、発熱性物質試験を適用できる。
◆ cについて
c 〇 製剤均一性試験法は、個々の製剤の間での有効成分含量の均一性を試験する試験法である。
製剤均一性試験法は、錠剤,カプセル剤,散剤・顆粒剤・液剤の分包品,坐剤,膣剤,貼付剤の経皮吸収型製剤,アンプル入り注射剤等、1個で1回服用量又は複数個で1回服用量の有効成分を含有する製剤に対し、有効成分含量の均一性を保証するものである。
関連問題
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◆ dについて
d × 溶出試験法は、経口製剤及び坐剤からの主薬の溶出性を試験する試験法である。
→ 〇 溶出試験法は、経口製剤からの主薬の溶出性を試験する試験法である。
溶出試験は,経口製剤について溶出試験規格に適合しているかどうかを判定するために行うものであるが,併せて著しい生物学的非同等を防ぐことを目的としている
溶出試験法が適用される製剤は、錠剤,カプセル剤,顆粒剤,散剤,経口液剤の懸濁剤,シロップ剤の懸濁した製剤,経口ゼリー剤,経口フィルム剤である。