日本薬局方の試験法で用いる装置 95回薬剤師国家試験問180
95回薬剤師国家試験 問180
装置A〜Dに関する記述のうち、正しいものはどれか。
a 装置Aは、剤皮を施した錠剤に適用され、輸送及び調剤中における剤皮のはがれや剤皮の摩損の度合いを評価するために用いられる。
b 装置Bは、平行なガラス板に挟んだ試料の経時的な広がりから、軟膏の展延性(延び)を評価するために用いられる。
c 装置Cは、試料中で二重円錐針を回転させたときにかかるトルクを測定し、軟膏の粘性を評価するために用いられる。
d 装置Dは、錠剤の直径方向に力を加え、錠剤の硬度を測定するために用いられる。
95回薬剤師国家試験 問180 解答解説
◆ aについて
a × 装置Aは、剤皮を施した錠剤に適用され、輸送及び調剤中における剤皮のはがれや剤皮の摩損の度合いを評価するために用いられる。
装置Aは錠剤の摩損度試験法で用いる装置である。
錠剤の摩損度試験法は,剤皮を施していない圧縮成型錠の摩損度を測定する方法である。
◆ bについて
b 〇 装置Bは、平行なガラス板に挟んだ試料の経時的な広がりから、軟膏の展延性(延び)を評価するために用いられる。
装置Bはスプレッドメーター(平行板粘度計)であり、半固形製剤の流動学的測定法の展延性試験法で用いる装置である。
スプレッドメーターは,水平に置かれた2枚の平行板(荷重板及び固定板)の間に挟まれた半固形製剤が荷重板の自重によって押し出され同心円状に広がっていく特性を経時的に観察して,その広がり直径等を測定する装置であり、その結果より半固形製剤の展延性(延び)を評価する。
関連問題
展延性試験とスプレッドメーター 108回問181の2
◆ cについて
c × 装置Cは、試料中で二重円錐針を回転させたときにかかるトルクを測定し、軟膏の粘性を評価するために用いられる。
装置Cはペネトロメーター(稠度計)であり、半固形製剤の流動学的測定法の稠度試験法で用いる装置である。
稠度試験法は,半固形製剤の硬さ・軟らかさを測定する試験法である。
ペネトロメーターは,試料へ円錐が進入する距離を測定する装置であり,数値が小さいほど試料が硬いことを示す。
◆ dについて
装置Dはモンサント硬度計であり、錠剤硬度測定法に用いられる。
測定は通例,錠剤を2枚の加圧板に挟み,一方の加圧板を一定速度で動かして錠剤が破壊される直前の力(N)を得る。
錠剤硬度測定法の結果は、摩損度など錠剤の強度に関する他の情報と併せて,製造工程から使用までの衝撃や圧迫などのストレスに対する錠剤の機械的強度の確保などに用いられる。