日本薬局方一般試験法 89回薬剤師国家試験問177
89回薬剤師国家試験 問177
日本薬局方一般試験法に関する記述のうち、正しいものはどれか。
a 崩壊試験法は、内用固形製剤からの主成分の溶出を調べ、生物学的同等性を保証する方法である。
b 浸透圧測定法は、試料のオスモル濃度を凝固点降下法を用いて測定する方法である。
c 点眼剤の不溶性微粒子試験法は、点眼剤中の不溶性異物の溶解性を調べる方法である。
d 輸液用ゴム栓試験法は、輸液として用いる注射剤に使用する内容100 mL 以上の容器に用いるゴム栓を試験する方法である。
89回薬剤師国家試験 問177 解答解説
◆ aについて
a × 崩壊試験法は、内用固形製剤からの主成分の溶出を調べ、生物学的同等性を保証する方法である。
崩壊試験法は,錠剤,カプセル剤,顆粒剤,シロップ用剤,丸剤が試験液中,定められた条件で規定時間内に崩壊するかどうかを確認する試験法である。
崩壊試験法は,製剤中の有効成分が完全に溶解するかどうかを確認することを目的とするものではないとされている。
よって、崩壊試験法は、内用固形製剤からの主成分の溶出を調べたり、
生物学的同等性を保証する試験ではない。
なお、溶出試験は,経口製剤について有効成分の溶出を調べ、溶出試験規格に適合しているかどうかを判定し,併せて著しい生物学的非同等を防ぐことを目的としている。
関連問題
崩壊試験法及び溶出試験法は製剤の生物学的同等性を調べる? 83回問179a
◆ bについて
b 〇 浸透圧測定法は、試料のオスモル濃度を凝固点降下法を用いて測定する方法である。
関連問題
浸透圧と凝固点降下度とオスモル濃度の関係 94回問22d
◆ cについて
c × 点眼剤の不溶性微粒子試験法は、点眼剤中の不溶性異物の溶解性を調べる方法である。
点眼剤の不溶性微粒子試験法は、点眼剤中の不溶性微粒子の大きさ及び数を試験する方法であるが、
不溶性異物の溶解性を調べる試験ではない。
◆ dについて
d 〇 輸液用ゴム栓試験法は、輸液として用いる注射剤に使用する内容100mL 以上の容器に用いるゴム栓を試験する方法である。
日本薬局方において、輸液用ゴム栓試験法について下記のように規定されている。
「輸液用ゴム栓は,輸液として用いる注射剤に使用する内容100 mL以上の容器に用いるゴム栓(プラスチック等の材料でコーティング又はラミネートしたものを含む.)をいう.使用するゴム栓は内容医薬品と物理的又は化学的に作用してその性状又は品質に影響を与えないもので,また,微生物の侵入を防止し,内容輸液の使用に支障を与えないものであり,次の(1)〜(5)の規格に適合する.」
(1)カドミウム
(2)鉛
(3)溶出物試験
(4)細胞毒性試験
(5)急性毒性試験