薬剤師国家試験過去問題集 一般試験法・製剤試験法

日本薬局方に収載されている一般試験法 84回薬剤師国家試験問180

84回薬剤師国家試験 問180
日本薬局方に収載されている一般試験法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
a 注射剤用ガラス容器試験法には、アルカリ溶出試験、着色容器の鉄溶出試験及び着色容器の遮光性試験が規定されている。
b 粉末X繰回折法では、医薬品の結晶多形、溶媒和物などの同定はできるが、結晶か非結晶かの判定はできない。
c 崩壊試験法は、トローチ剤には適用されない。
d 「注射用水」はエンドトキシン試験を行う必要はない。

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84回薬剤師国家試験 問180 解答解説

 

◆ aについて
a 〇 注射剤用ガラス容器試験法には、アルカリ溶出試験、着色容器の鉄溶出試験及び着色容器の遮光性試験が規定されている。

 

注射剤用ガラス容器試験法では、次の(1)〜(5)の規格に適合するよう規定されている。

 

(1) 容器は無色又は淡褐色透明で,注射剤の不溶性異物検査法の試験に支障をきたす気泡があってはならない.

 

(2) 分割使用を目的とする容器は,ゴム栓又は他の適当な栓を用いて密封する.栓は内容医薬品と物理的又は化学的に作用しないもので,注射針を挿入したとき,栓の破片を混入することなく,また,注射針を抜きとったとき,直ちに外部からの汚染を防ぎうるものである.輸液用を目的とする容器は,輸液用ゴム栓試験法の規定に適合した栓を用いて密封する.

 

(3) アルカリ溶出試験に適合する.
(4) 着色容器の鉄溶出試験に適合する.
(5) 着色容器の遮光性試験に適合する.

 

 

◆ bについて
b × 粉末X繰回折法では、医薬品の結晶多形、溶媒和物などの同定はできるが、結晶か非結晶かの判定はできない。

 

粉末X繰回折法では、結晶か非結晶かの判定が可能である。
粉末X線回折測定法は、結晶、結晶多形及び溶媒和結晶の同定、判定、定量、結晶化度の評価などに用いることができる。

 

関連問題
粉末X線回折測定法での結晶多形の確認 91回問24b

 

 

◆ cについて
c 〇 崩壊試験法は、トローチ剤には適用されない。

 

詳細は下記のリンク先を参照
トローチは溶出試験法や崩壊試験に適合? 93回問173d

 

 

◆ dについて
d × 「注射用水」はエンドトキシン試験を行う必要はない。

 

注射剤,注射剤を製するに用いる溶剤,添付された溶解液などは,皮内,皮下及び筋肉内投与のみに用いるものを除き,別に規定するもののほか,エンドトキシン試験法に適合する.
ただし,エンドトキシン試験法の適用が困難な場合は,発熱性物質試験法を適用できる.

 

関連問題
皮内、皮下及び筋肉内投与のみに用いる水性溶剤はエンドトキシン試験法の適用を受ける? 100回問177の2

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