83回薬剤師国家試験問179 日本薬局方一般試験法
83回薬剤師国家試験 問179
日本薬局方一般試験法に関する次の記述の正誤について、正しいものはどれか。
a 製剤の崩壊性及び溶出性とバイオアベイラビリティとの間には、常に関連性があるので、崩壊試験法及び溶出試験法は製剤の生物学的同等性を調べる目的で行われる。
b 重量偏差試験法及び含量均一性試験法は、製剤の含量の均一性を個々の製剤を用いて行う試験法であるが、個々の製剤について試験を行うのが難しい場合は、複数個の製剤を用いて試験を行っても良い。
c 輸液用ゴム栓試験法では、輸液として用いる注射剤に使用する内容100 mL以上の容器に用いるゴム栓を試験する。
83回薬剤師国家試験 問179 解答解説
◆ aについて
a × 製剤の崩壊性及び溶出性とバイオアベイラビリティとの間には、常に関連性があるので、崩壊試験法及び溶出試験法は製剤の生物学的同等性を調べる目的で行われる。
製剤の崩壊性及び溶出性とバイオアベイラビリティとの間には、常に関連性があるとは限らない。
溶出試験は,経口製剤について溶出試験規格に適合しているかどうかを判定するために行うものであるが,併せて著しい生物学的非同等を防ぐことを目的としている。
崩壊試験法は,錠剤,カプセル剤,顆粒剤,シロップ用剤,丸剤が試験液中,定められた条件で規定時間内に崩壊するかどうかを確認する試験法である。
また、崩壊試験法は,製剤中の有効成分が完全に溶解するかどうかを確認することを目的とするものではないとされている。
よって、崩壊試験法は、内用固形製剤からの主成分の溶出を調べたり、
生物学的同等性を調べる目的で行われるものではない。
関連問題
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◆ bについて
b × 重量偏差試験法及び含量均一性試験法は、製剤の含量の均一性を個々の製剤を用いて行う試験法であるが、個々の製剤について試験を行うのが難しい場合は、複数個の製剤を用いて試験を行っても良い。
重量偏差試験法及び含量均一性試験法は製剤均一性試験法である。
製剤均一性試験法とは,個々の製剤の間での有効成分含量の均一性の程度を示すための試験法である.
したがって,本試験は,別に規定される場合を除き,単剤又は配合剤に含まれる個々の有効成分に対して適用される.複数個の製剤を用いて試験を行うことはできない.
◆ cについて
c 〇 輸液用ゴム栓試験法では、輸液として用いる注射剤に使用する内容100 mL以上の容器に用いるゴム栓を試験する。
日本薬局方において、輸液用ゴム栓試験法について下記のように規定されている。
「輸液用ゴム栓は,輸液として用いる注射剤に使用する内容100 mL以上の容器に用いるゴム栓(プラスチック等の材料でコーティング又はラミネートしたものを含む.)をいう.使用するゴム栓は内容医薬品と物理的又は化学的に作用してその性状又は品質に影響を与えないもので,また,微生物の侵入を防止し,内容輸液の使用に支障を与えないものであり,次の(1)〜(5)の規格に適合する.」
(1)カドミウム
(2)鉛
(3)溶出物試験
(4)細胞毒性試験
(5)急性毒性試験