109回薬剤師国家試験問8 転位反応はどれか

109回薬剤師国家試験 問8
転位反応はどれか。1つ選びなさい。
ただし、すべての反応は終了後、適切な後処理を施していることとする。また、生成物は主生成物のみを示している。

 

109回薬剤師国家試験問8 転位反応はどれか

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109回薬剤師国家試験 問8 解答解説

 

転位反応は、選択肢4の反応である。

 

109回薬剤師国家試験問8 転位反応はどれか

 

転位反応とは、原子または原子団(基)が結合位置を変え、
骨格変化が起こる反応を指す。

 

以下、他の選択肢の反応についての解説

 

◆ 1について
109回薬剤師国家試験問8 転位反応はどれか

 

1の反応は、ケトンに対するグリニャール試薬の求核付加反応である。
グリニャール試薬(R-MgX)では、
Mgと結合した炭素が負電荷を帯び、C:となっており、
カルボアニオン(R:)として振る舞う。

 

アルデヒド・ケトンにグリニャール試薬(R-MgX)を反応させると、
グリニャール試薬由来のカルボアニオンが、アルデヒド・ケトンの正に分極したカルボニル炭素(Cδ+)に求核付加し、
その後に水や酸の希薄溶液で処理すると、アルコールを生成する。

 

109回薬剤師国家試験問8 転位反応はどれか

 

 

アルデヒド・ケトンの求核付加反応については、下記のリンク先を参照
アルデヒド・ケトンと求核剤の反応のまとめ

 

 

◆ 2について
109回薬剤師国家試験問8 転位反応はどれか

 

2の反応は、酸性条件における第三級アルコールの分子内脱水反応であり、
E1脱離反応の機構で進行し、OHとHが脱離してアルケンが生成する。

 

109回薬剤師国家試験問8 転位反応はどれか

 

アルコールの分子内脱水の詳細については、下記のリンク先を参照
アルコールの分子内脱水の反応機構 89回問9a

 

 

◆ 3について
109回薬剤師国家試験問8 転位反応はどれか

 

アルデヒド・ケトンとヒドロキシルアミン(NH2OH)を反応させると、
アルデヒド・ケトンのカルボニル炭素にヒドロキシルアミンが求核付加し、
その後、脱水が起こり、
最終的にオキシム(C=N−OH)が生成する。

 

関連問題
アルデヒド・ケトンとヒドロキシルアミンの生成物 85回問5b

 

 

◆ 5について
109回薬剤師国家試験問8 転位反応はどれか

 

NaBH4(水素化ホウ素ナトリウム)は、ヒドリドイオン(H:)の供与体であり、反応相手をヒドリド還元する。
アルデヒド・ケトンにNaBH4を反応させると、
ヒドリドイオン(H:)が正に分極したカルボニル炭素(Cδ+)に求核付加し、
その後に酸処理すると、アルコールを生成する。

 

関連問題
アルデヒド・ケトンとNaBH4の反応の生成物 85回問5e

 

 

★他サイトさんの解説へのリンク
109回問8(e-RECさん)

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