クレアチニンクリアランスに応じた薬物の用法用量の設定 90回薬剤師国家試験問158

90回薬剤師国家試験 問158
腎から100%未変化体として排泄される薬物Aを、
腎機能が正常な男性患者に対して1日当たり120mgを2回に分けて筋肉内注射するとき、有効な治療効果を期待できる。
下記の表に示す男性患者〔T〕に薬物Aを投与する方法として、
最も適切なものはどれか。
薬物Aは投与部位から速やかにすべてが吸収され、
また、薬物Aの腎クリアランスはクレアチニンクリアランス(CLcr)に比例する。
ただし、CLcrの正常値を100mL/minとし、
薬物Aの注射液はそれぞれ10mg、30mg、60mg含有のアンプルが用意されているものとする。

 

Cockcroft-Gaultの式によるクレアチニンクリアランスの計算 90回薬剤師国家試験問158

 

1 10mgを1日2回総計20mgを筋注
2 30mgを1日1回総計30mgを筋注
3 10mg×2を1日2回総計40mgを筋注
4 30mgを1日2回総計60mgを筋注
5 60mgを1日2回総計120mgを筋注

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90回薬剤師国家試験 問158 解答解説

 

正解は、選択肢4の「30mgを1日2回総計60mgを筋注」である。

 

患者のクレアチニンクリアランス(CLcr)より、
薬物Aの用法用量を設定する。

 

男性患者のクレアチニンクリアランス(CLcr)は、
Cockcroft-Gault (コッククロフト-ゴールト)の式を用いて下記のように計算できる。

 

Cockcroft-Gaultの式によるクレアチニンクリアランスの計算 90回薬剤師国家試験問158

 

薬物Aは腎機能が正常な男性患者に対して、
1日当たり120mgを2回に分けて筋肉内注射する。
CLcrの正常値を100mL/minとし、本患者のCLcrは46.7 mL/minである。
よって、本患者の薬物Aの用量は、腎機能が正常な患者の半量にするので、
1日当たり60mgを2回に分けて筋注する。
以上より、1回30mgを1日2回総計60mgを筋注するのが適切である。

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