芳香族求電子置換反応の反応機構 電子移動 100回薬剤師国家試験問104の3
第100回薬剤師国家試験 問104 3
電子移動を示す矢印(細い矢印)で記した機構が主となって、実際に進行し生成物が得られるか判定してみよう。
第100回薬剤師国家試験 問104 3 解答解説
3の反応は実際に進行する。
★ 芳香環はπ電子豊富であり、求電子試薬(E+)と反応し、
水素(H)と求電子試薬(E)が置換する求電子置換反応を起こす。
芳香族化合物は求電子置換反応の基質となる。その機構は次の通り。
まず、芳香環のπ電子豊富な環炭素の1つに対して求電子試薬(E+)が付加し、中間体としてカルボカチオンを生成する。カルボカチオンとなることで、一旦、環は芳香族性を失いエネルギーが上昇して安定性が低下するが、求電子試薬が付加した炭素からHがプロトンとして放出されることにより、芳香族性を取り戻し、エネルギーが低下して安定な生成物となる。
結果として、環炭素の1つにおいて水素(H)と求電子試薬(E)が置換したものが生成する。