フリーデル・クラフツアルキル化の反応機構と多置換の問題点 薬学化学
本ページでは、芳香族化合物のフリーデル・クラフツアルキル化の反応機構と多置換体生成について説明しています。
★ 芳香族求電子置換反応のフリーデル・クラフツ アルキル化反応
芳香族求電子置換反応について、
芳香環に求電子試薬としてカルボカチオン(R+)を反応させ、
アルキル基を置換させる反応をフリーデル・クラフツ アルキル化反応と呼ぶ。
アルコール(R−OH)やハロゲン−sp3炭素結合を有するハロゲン化アルキル(R−X)にAlCl3などのルイス酸を反応させると、
−OHのO原子やハロゲンがルイス酸の空軌道を持つ原子と反応し、
これらの官能基が外れてカルボカチオン(R+)が生成する。
次に芳香環に対してカルボカチオン(R+)が求電子試薬として反応し、
芳香環において水素とアルキル基(R)が置換する求電子置換反応が進行する。
★ フリーデル・クラフツアルキル化は多置換体の可能性
フリーデル・クラフツ アルキル化反応では、
アルキル基の置換が環の1つの炭素で起こるのに留まらず、
続けて環の複数の炭素でアルキル化が起こり、
多置換体を生成することがある。
その理由として、
芳香環にアルキル基が置換すると、
アルキル基の電子供与性電子効果により芳香環の電子密度が高まり、
求電子置換反応の反応性が高まるためである。