π過剰系芳香族複素環化合物とは? 求電子置換反応の反応性・配向性
π過剰系芳香族複素環化合物について簡単に説明しています。
電子密度,求電子置換反応の反応性・配向性など解説。
ピロール,フラン,チオフェンといった5員環の芳香環は、6つのπ電子が5つの原子に分散されるため、ベンゼンに比べて環1つ当たりの電子密度が高い。よって、これら5員環の芳香環をπ過剰系芳香族複素環という。
π過剰系芳香族複素環はベンゼンに比べて環の電子密度が高いので、求電子置換反応の反応性はベンゼンに比べて高い。
なお、配向性について、ピロール,フラン、チオフェンなどの5員環のπ過剰系芳香族複素環の求電子置換反応は、主に2位で起こりやすい。その理由として、環に求電子試薬が付加して生成するカチオン中間体について、2位に付加したカチオンは3位に付加したカチオンよりも多くの共鳴構造式が描かれ、エネルギーが低く安定性が高いことが挙げられる。
インドールもπ過剰系芳香族複素環に分類され、芳香族求電子置換反応は3位で起こりやすい。