芳香族求核置換反応 98回薬剤師国家試験問102の2
第98回薬剤師国家試験 問102の2
以下の芳香族置換反応について、主生成物の構造を正しく示しているか判定してみよう。ただし、反応は終了後、適切な後処理を施してある。
第98回薬剤師国家試験 問102の2 解答解説
反応2は芳香族化合物を基質とする求核置換反応である。
一般に、芳香環はπ電子が豊富なため求電子置換反応は比較的起こりやすいが、
求核置換反応は起こりにくい。
ただし、条件によっては芳香環で求核置換反応が起こり得る。
その一例として、置換基による電子求引性効果により芳香環の電子密度が低下している場合、芳香環において求核置換反応が起こることが挙げられる。
反応2はその具体例であり、ベンゼン環に強い電子求引性のニトロ基が3つ置換しており、環の電子密度が大きく低下しているので、求核置換反応が進行し得る。