二置換ベンゼンの求電子置換反応の配向性 98回薬剤師国家試験問102の1,3

第98回薬剤師国家試験 問102の1,3
以下の芳香族置換反応について、主生成物の構造を正しく示しているか判定してみよう。ただし、すべての反応は終了後、適切な後処理を施してある。

 

二置換ベンゼンの求電子置換反応の配向性 98回問102の1,3

 

 

二置換ベンゼンの求電子置換反応の配向性 98回問102の1,3

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薬剤師国家試験過去問題集 化学 芳香族化合物

 

第98回薬剤師国家試験 問102の1,3 解答解説

 

芳香族求電子置換反応の配向性・反応性については下記のリンク先を参照
芳香族求電子置換反応の配向性・反応性

 

 

◆ 1について
二置換ベンゼンの求電子置換反応の配向性 98回問102の1,3

 

芳香族求電子置換反応のハロゲン化である。
ハロゲン分子(X2)にAlX3やFeX3などのルイス酸を反応させると、ハロゲンがルイス塩基となりルイス酸の空軌道を持つ原子と反応し、ハロゲニウムイオン(X+)が生成する。芳香環に対して求電子試薬のハロゲニウムイオン(X+)を反応させると、芳香環においてHとハロゲン(X)が置換する求電子置換反応が進行する。なお、芳香族求電子置換反応はスルホン化など一部を除きほとんどが不可逆反応である。遷移状態のエネルギーの高さや中間体の安定性で反応速度が決まり、速度論的に進行する。

 

二置換の芳香環の求電子置換反応の配向性について、2つの置換基のうちで相対的に電子供与性が強い方の置換基を基点とした配向性となる。
1の化合物の芳香環にはヒドロキシ基とメチル基(アルキル基)が置換しているが、芳香環に対してヒドロキシ基もアルキル基も電子供与性電子効果を与えるが、ヒドロキシ基の方の電子供与性が強い。
よって、1の化合物の求電子置換反応の配向性はヒドロキシ基を基点としたオルト・パラ配向性となる。
なお、芳香族求電子置換反応のハロゲン化では、ハロゲンの反応性を高めるためルイス酸が用いられるが、1の化合物のように芳香環に対して置換基が電子供与性電子効果を与え、芳香環の電子密度が高まり反応性が高まっている場合、ルイス酸なしでもハロゲン化が進む。

 

二置換ベンゼンの求電子置換反応の配向性 98回問102の1,3

 

 

◆ 3について
二置換ベンゼンの求電子置換反応の配向性 98回問102の1,3

 

芳香族求電子置換反応のニトロ化である。
発煙硝酸(濃硝酸の1種)と濃硫酸を反応させると、硝酸が硫酸によりプロトン化され、その後、脱水が起きてニトロニウムイオン(+NO2)を生成する。電子豊富なベンゼン環の1つの炭素に対して求電子剤のニトロニウムイオンが付加してカルボカチオン中間体を生成し、次に同じ炭素から水素がプロトンとして外れ、結果、ベンゼン環炭素の1つにおいてHとNO2が置換したものが生成する。

 

二置換の芳香環の求電子置換反応の配向性について、2つの置換基のうちで相対的に電子供与性が強い方の置換基を基点とした配向性となる。
3の化合物の芳香環にはメチル基(アルキル基)とニトロ基が置換しているが、アルキル基は電子供与性、ニトロ基は電子求引性の電子効果を与えるので、メチル基(アルキル基)の方の電子供与性が強い。
よって、3の化合物の求電子置換反応の配向性はメチル基を基点としたオルト・パラ配向性となる。

 

二置換ベンゼンの求電子置換反応の配向性 98回問102の1,3

 

★他サイトさんの解説へのリンク
第98回問102(e-RECさん)

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