芳香族性を示さないのはどれか 見分ける問題 103回薬剤師国家試験問8
第103回薬剤師国家試験 問8
芳香族性を示さないのはどれか。1つ選びなさい。
第103回薬剤師国家試験 問8 解答解説
環状化合物が芳香族性を示す条件は下記の@〜Bの通り。
@ 環を構成する全ての原子がsp2混成軌道をとり、平面構造である。
A 隣り合う原子のp軌道同士がすべて重なり合う。
B 環が4n+2個(n=0,1,2,3…)のπ電子を有する(ヒュッケル則)。
◆ 1について
1の化合物の環を構成する炭素の電子配置は下記の通り。
1の化合物では、環のπ電子は4個である。
したがって、1の化合物は、環が4n+2個のπ電子をもつ条件(ヒュッケル則)を満たさないので、芳香族性を示さない。
◆ 2について
2の化合物(ピロール)の環を構成する炭素の電子配置は下記の通り。
2の化合物(ピロール)では、環のπ電子は6個である。
したがって、2の化合物(ピロール)は、環が4n+2個のπ電子をもつ条件(ヒュッケル則)を満たすので、芳香族性を示す。
◆ 3について
3の化合物(フラン)の環を構成する炭素の電子配置は下記の通り。
3の化合物(フラン)では、環のπ電子は6個である。
したがって、3の化合物(フラン)は、環が4n+2個のπ電子をもつ条件(ヒュッケル則)を満たすので、芳香族性を示す。
◆ 4について
4の化合物(ピリジン)の環を構成する炭素の電子配置は下記の通り。
4の化合物(ピリジン)では、環のπ電子は6個である。
したがって、4の化合物は、環が4n+2個のπ電子をもつ条件(ヒュッケル則)を満たすので、芳香族性を示す。
◆ 5について
5の化合物の環を構成する炭素の電子配置は下記の通り。
5の化合物では、環のπ電子は6個である。
したがって、5の化合物は、環が4n+2個のπ電子をもつ条件(ヒュッケル則)を満たすので、芳香族性を示す。
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