ピリジンとキノリンの水溶性の比較 97回薬剤師国家試験問103の1

第97回薬剤師国家試験 問103の1
含窒素複素環化合物に関する記述の正誤を判定してみよう。

 

1 水溶性は、ピリジンよりキノリンの方が高い。

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薬剤師国家試験過去問題集 化学 芳香族化合物

 

第97回薬剤師国家試験 問103の1 解答解説

 

1 × 水溶性は、ピリジンよりキノリンの方が高い。
→ 〇 水溶性は、キノリンよりピリジンの方が高い。

 

ピリジンやピリミジンなどのように窒素原子を含む6員環の芳香環をπ不足系芳香族複素環(π欠如系芳香族複素環)という。
“π不足系芳香族”と呼ばれる理由は、電気陰性度の高い窒素原子が電子を引き付けることにより、環の電子密度が低下するからである。キノリンやイソキノリンなどのように、構造の一部に窒素原子を含む6員環の芳香環を含むものもπ不足系芳香族複素環である。
π不足系芳香族複素環は、構造中に非共有電子対がsp2混成軌道に入る窒素原子を含み、この窒素原子が水分子と水素結合を形成する。そのため、ピリジンとピリミジンは水と任意の割合で混ざる。しかし、キノリンやイソキノリンは疎水性のベンゼン環を含むため、ピリジンとピリミジンと比べて水溶性が低い。

 

ピリジンとキノリンの水溶性の比較 97回問103の1

 

 

なお、ピロールでは、窒素原子の非共有電子対がp軌道に入り環を非局在化するため、水分子と水素結合を形成しないので水に難溶性である。

 

ピリジンとキノリンの水溶性の比較 97回問103の1

 

ピリジンとキノリンの水溶性の比較 97回問103の1

 

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