ナフタレンの芳香族求電子置換反応が1位(α位)で起こりやすい理由 101回薬剤師国家試験問103の5
第101回薬剤師国家試験 問103の5
芳香族化合物Eの求電子置換反応によるモノブロモ化に関する記述の正誤を判定してみよう。
5 Eは主に1位で反応する。
第101回薬剤師国家試験 問103の5 解答解説
5 ○ Eは主に1位で反応する。
ナフタレンの求電子置換反応の配向性について、α位(1位)で主に反応する。その理由として、α位(1位)に求電子試薬が付加したカチオン中間体は、β位(2位)に付加したものと比べ、安定性の高い共鳴構造式を多く描けるからである。ここでいう安定性の高い共鳴構造式とは、ナフタレンの2つの環のうち、求電子試薬が付加していない方の環がベンゼン環(芳香環)となっている構造式を指す。このような構造式はエネルギーが低く、真の構造に対する寄与が大きい。安定性の低い共鳴構造式とは、ナフタレンの2つの環のうち、どちらもベンゼン環(芳香環)ではなくなっている構造を指す。このような構造式はエネルギーが高く、真の構造に対する寄与が低い。
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