タッピング後の粉体層のかさ密度の計算 100回薬剤師国家試験問176

100回薬剤師国家試験 問176
真密度が1.2g/cm3の粉体を500mL の容器にすり切り充てんしたところ、粉体層の空隙率は25%であった。この容器をタッピングしたところ、粉体層の空隙率は17%となった。タッピング後の粉体層のかさ密度(g/cm3)に最も近い値はどれか。1つ選びなさい。

 

1 0.7
2 0.8
3 0.9
4 1.0
5 1.1

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100回薬剤師国家試験 問176 解答解説

 

本問では、タッピング後のかさ密度(見かけ密度)を求める。
かさ密度(ρ)とは空隙を含む粉体の体積であり、
次式で表される。

 

タッピング後の粉体層のかさ密度の計算 100回薬剤師国家試験問176

 

かさ体積(見かけ体積)とは空隙を含む粉体の体積である。

 

よって、本問では、
まず粉体の質量とタッピング後の粉体のかさ体積を求め、
それらを@式に代入してタッピング後のかさ密度を求める。

 

 

(1)粉体の真体積と質量の計算
問題文よりタッピング前の状態について、
「粉体を500mL の容器にすり切り充てんしたところ、粉体層の空隙率は25%であった」とある。

 

空隙率(ε)とは、かさ体積中の空隙の占める割合であり、
下記の式で表される。

 

タッピング後の粉体層のかさ密度の計算 100回薬剤師国家試験問176

 

粉体の真体積とは空隙の無い粉体の体積である。

 

タッピング前の状態について、問題文より、
粉体を500mL の容器にすり切り充てんしているので、
タッピング前の粉体のかさ体積(V)は500mLであり、
その時の粉体層の空隙率は25%であった。
空隙率に関するA式にこれらの値を代入すると、
粉体の真体積(V)が求められる。

 

タッピング後の粉体層のかさ密度の計算 100回薬剤師国家試験問176

 

これを解いて、
V = 375mL = 375cm 3と求まる。

 

この粉体の真密度は1.2g/cm3であるので、
粉体の質量は
1.2g/cm3×375cm 3 = 450gと求まる。

 

 

(2)タッピング後の粉体のかさ体積の計算
問題文に「この容器をタッピングしたところ、粉体層の空隙率は17%となった」とあるので、
空隙率に関するA式より、タッピング後のかさ体積(Vか後)を求めることができる。

 

タッピング後の粉体層のかさ密度の計算 100回薬剤師国家試験問176

 

以上より、
タッピング後の粉体のかさ密度(ρか後)は1.0 g/cm3と求まる。

 

 

★ 別解

 

タッピング後の粉体層のかさ密度の計算 100回薬剤師国家試験問176

 

タッピング後において、
空隙率は17%、真密度は1.2g/cm3であるので、
?式に数値を代入してかさ密度について解けば良い。

 

タッピング後の粉体層のかさ密度の計算 100回薬剤師国家試験問176

 

 

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