91回薬剤師国家試験問166 粉体の粒子径あるいは粒子径分布に関する記述

91回薬剤師国家試験 問166
粉体の粒子径あるいは粒子径分布に関する記述の正誤について、正しいものはどれか。

 

a 顕微鏡法では、個数基準の粒子径分布が得られる。
b 沈降法では、質量基準の粒子径分布が得られる。
c 同一粉体では、個数基準分布から得られるモード径は、質量基準分布から得られるモード径よりも大きい。
d 同一粉体では、体積平均径は、面積平均径よりも小さい。
e マーチン径は、粒子の投影面積と同じ面積を持つ円の直径で表したものである。

 

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91回薬剤師国家試験 問166 解答解説

 

◆ aについて
a 〇 顕微鏡法では、個数基準の粒子径分布が得られる。

 

顕微鏡法は顕微鏡を用いて直接1個ずつ粒子の形状と大きさを観察する粒子径測定法である。
顕微鏡法では、個数基準の粒子径分布が得られる。

 

 

◆ bについて
b 〇 沈降法では、質量基準の粒子径分布が得られる。

 

沈降法とは粒子の液体中の沈降速度から粉体の粒子径を求める粒子径測定法であり、
沈降速度に関するストークス式が用いられる。
沈降法では質量基準の粒子径分布が得られる。

 

関連問題
沈降法によって粒子径を求めるときに用いる式 97回問50

 

 

◆ cについて
c × 同一粉体では、個数基準分布から得られるモード径は、質量基準分布から得られるモード径よりも大きい。
→ 〇 同一粉体では、質量基準分布から得られるモード径は、個数基準分布から得られるモード径よりも大きい。

 

詳細は下記のリンク先を参照
個数基準と質量基準の分布から得られるモード径 91回問166c

 

 

◆ dについて
d × 同一粉体では、体積平均径は、面積平均径よりも小さい。
→ 〇 同一粉体では、体積平均径は、面積平均径よりも大きい。

 

 

◆ eについて
e × マーチン径は、粒子の投影面積と同じ面積を持つ円の直径で表したものである。

 

顕微鏡法で得られる粒子径の定義に関する問題である。
マーチン径(定方向面積等分径)とは、粒子の投影面積を二等分する一定方向の線分の長さを粒子径とするものである。

 

設問の記述の「粒子の投影面積と同じ面積を持つ円の直径で表した粒子径」はヘイウッド径(投影面積円相当径)である。

 

他、フェレー径(定方向接線径)とは、粒子を一定方向の二つの平行線ではさみ、その平行線間の長さを粒子径とするものであり、グリーン径とも呼ばれる。
定方向最大径とは、粒子の定方向の線分の最大幅を粒子径とするものであり、クルムバイン径とも呼ばれる。

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