87回薬剤師国家試験問167 粉体の特性に関する記述

87回薬剤師国家試験 問167
粉体の特性に関する記述のうち,正しいものはどれか。
a 粉砕しても,その比表面積は変化しない。
b メスシリンダーに充てんして求めたかさ密度は,真密度より小さい。
c 粉砕すると,安息角は小さくなる。
d 個数平均径dnと重量平均径dwを比較すると,dn<dwである。

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87回薬剤師国家試験 問167 解答解説

 

◆ aについて
a  × 粉砕しても,その比表面積は変化しない。

 

粉体の粒子径が小さいほど比表面積は大きい。
粉砕すると粒子径が小さくなるため、比表面積は大きくなる。

 

なお、粉体の比表面積と平均粒子径は反比例する。
関連問題
粉体の比表面積と平均粒子径 107回問177の5

 

 

◆ bについて
b 〇 メスシリンダーに充てんして求めたかさ密度は,真密度より小さい。

 

かさ密度(みかけ密度)とは空隙を含む粉体の密度であり、
真密度(粒子密度)とは、空隙を含まない粉体の密度である。
よって、かさ密度は真密度より小さい。

 

詳細は下記のリンク先を参照
粉体のかさ密度と真密度 94回薬問168の1

 

 

◆ cについて
c × 粉砕すると,安息角は小さくなる。
→ 〇 粉砕すると,安息角は大きくなる。

 

流動性の良い粉体ほど安息角は小さい。
粉体の粒子径が小さいほど付着力・凝集力は大きくなるので、流動性は悪くなる。
よって、粉砕すると粒子径が小さくなるため、
流動性は悪くなり、安息角は大きくなる。

 

 

◆ dについて
d 〇 個数平均径dnと重量平均径dwを比較すると,dn<dwである。

 

質量基準の粒度分布より得られる平均粒子径は、
個数基準の粒度分布より得られる平均粒子径よりも大きい。

 

関連問題
個数基準と質量基準の分布から得られるモード径 91回問166c

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