95回薬剤師国家試験問168 粒子及び粉体に関する記述

95回薬剤師国家試験 問168
粒子及び粉体に関する記述のうち、正しいものはどれか。

 

a 粉体の内部摩擦係数と付着力が小さいほど、流動性はよい。

 

b 沈降法による粒度分布測定では、質量基準の粒度分布が得られる。

 

c エルダー ( Elder ) の仮説が成立する場合、2種類以上の水溶性粉体の混合物の臨界相対湿度 ( CRH ) は、個々の粉体のCRHよりも大きくなる。

 

d 粉体を圧縮して製した平面に液を滴下した場合、拡張ぬれの接触角は付着ぬれの接触角よりも大きい。

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95回薬剤師国家試験 問168 解答解説

 

◆ aについて
a 〇 粉体の内部摩擦係数と付着力が小さいほど、流動性はよい。

 

 

◆ bについて
b 〇 沈降法による粒度分布測定では、質量基準の粒度分布が得られる。

 

沈降法とは粒子の液体中の沈降速度から粉体の粒子径を求める方法であり、
沈降速度に関するストークス式が用いられる。
沈降法では平均粒子径とともに質量基準の粒子径分布が得られる。

 

関連問題
沈降法によって粒子径を求めるときに用いる式 97回問50

 

 

◆ cについて
c × エルダー ( Elder ) の仮説が成立する場合、2種類以上の水溶性粉体の混合物の臨界相対湿度 ( CRH ) は、個々の粉体のCRHよりも大きくなる。

 

→ 〇 エルダー ( Elder ) の仮説が成立する場合、2種類以上の水溶性粉体の混合物の臨界相対湿度 ( CRH ) は、個々の粉体のCRHよりも小さくなる。

 

なお、水溶性の結晶性粉体同士を混合すると臨界相対湿度は低下するが、
水溶性の結晶性粉体と水不溶性の結晶性粉体を混合しても臨界相対湿度は低下しない。

 

詳細は下記のリンク先を参照
エルダーの仮説 混合物の臨界相対湿度CRH 90回問168

 

 

◆ dについて
d × 粉体を圧縮して製した平面に液を滴下した場合、拡張ぬれの接触角は付着ぬれの接触角よりも大きい。
→ 〇 粉体を圧縮して製した平面に液を滴下した場合、拡張ぬれの接触角は付着ぬれの接触角よりも小さい。

 

ぬれとは、固体−気体界面に液体が接触し、固体−気体界面が固体−液体界面に置き換わる現象である。
ぬれは、拡張ぬれ、浸透ぬれ(浸漬ぬれ)、付着ぬれの3種類に分類される。

 

拡張ぬれは、接触角0°で固体表面を液体が広がる場合を指す。

 

浸透ぬれ(浸漬ぬれ)は、液体が固体表面を毛細管現象でぬらす場合であり、接触角θが0°≦θ<90°の範囲で起こる。

 

付着ぬれは、固体表面に液体が付着するぬれであり、接触角θが0°≦θ<180°の範囲で起こる。

 

詳細は下記のリンク先を参照
拡張ぬれ,浸透ぬれ,付着ぬれと接触角 86回問169

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