粉末薬品の吸着等温線と吸湿平衡図 85回薬剤師国家試験問167

85回薬剤師国家試験 問167
下図は、粉末薬品(単品)に種々の相対湿度のもとで水蒸気を接触させたときの、吸着等温線(T)及び一定温度における吸湿平衡図(II)を示したものである。この図に関する次の記述の正誤について、正しいものはどれか。

 

吸着等温線と吸湿平衡図 85回薬剤師国家試験問167

 

a Iは水に不溶性の物質であり、Uは水溶性の場合である。
b IはBET型といわれ、多分子層吸着の場合なので、この結果から単分子層飽和吸着量に相当する吸着量を求めることはできない。
c 相対湿度が臨界相対湿度以上になると吸湿量が大きくなる。
d 大気の水蒸気圧が変わらなくても、温度を上げるとその温度での空気中の飽和水蒸気圧が大きくなるので相対湿度は変化する。
e A,Bのような吸湿平衡を示す互いに反応しない二つの水溶性粉末薬品を混合すると、混合物の臨界相対湿度はCのように変化し、吸湿しやすくなる。

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85回薬剤師国家試験 問167 解答解説

 

◆ a,cについて
吸着等温線と吸湿平衡図 85回薬剤師国家試験問167

 

a 〇 Iは水に不溶性の物質であり、Uは水溶性の場合である。

 

c 〇 相対湿度が臨界相対湿度以上になると吸湿量が大きくなる。

 

水不溶性物質の吸湿では、
Tのように、相対湿度の上昇とともに吸湿量が緩やかに上昇する。

 

水溶性物質の吸湿では、
Uのように、ある相対湿度以上になると急激に吸湿量が大きくなる。
その境となる相対湿度を臨界相対湿度(critical relative humidity:CRH)と呼ぶ。

 

 

◆ bについて

 

吸着等温線と吸湿平衡図 85回薬剤師国家試験問167

 

b × IはBET型といわれ、多分子層吸着の場合なので、この結果から単分子層飽和吸着量に相当する吸着量を求めることはできない。

 

Tの吸着等温線はBET型と呼ばれ、多分子層吸着の場合である。
多分子層吸着の場合でも、BET式を用いることにより、
単分子層飽和吸着量に相当する吸着量を求めることができる。

 

 

◆ dについて
d 〇 大気の水蒸気圧が変わらなくても、温度を上げるとその温度での空気中の飽和水蒸気圧が大きくなるので相対湿度は変化する。

 

相対湿度とは、ある温度(t℃)での大気の飽和水蒸気圧に対する大気の水蒸気圧の測定値であり、
下記の式で表される。

 

吸着等温線と吸湿平衡図 85回薬剤師国家試験問167

 

 

◆ eについて

 

吸着等温線と吸湿平衡図 85回薬剤師国家試験問167

 

e × A,Bのような吸湿平衡を示す互いに反応しない二つの水溶性粉末薬品を混合すると、混合物の臨界相対湿度はCのように変化し、吸湿しやすくなる。

 

エルダー(Elder)の仮説が成立する場合、
2種類以上の水溶性粉体の混合物の臨界相対湿度(CRH)は、
個々の粉体のCRHよりも小さくなり、吸湿しやすくなる。

 

図Uにおいて、Cは個々の粉体よりもCRHが大きくなっているので誤りである。

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