粒子径分布と粒子形状の両方を測定できる方法 103回薬剤師国家試験問48

103回薬剤師国家試験 問48
乳糖粉末の粒子径分布と粒子形状の両方を測定できる方法はどれか。1つ選びなさい。

 

1 光学顕微鏡法
2 ふるい分け法
3 コールターカウンター法
4 動的光散乱法
5 遠心沈降法

トップページへ

 

薬剤師国家試験過去問題 科目別まとめ一覧 へ

 

薬剤師国家試験過去問題集 粉体 一覧へ

 

 

103回薬剤師国家試験 問48 解答解説

 

本問は粉体の粒子径測定法に関する問題である。
粒子径分布と粒子形状の両方を測定できる方法は1の光学顕微鏡法である。

 

顕微鏡法は顕微鏡を用いて直接1個ずつ粒子の形状と大きさを観察する粒子径測定法である。
顕微鏡法では、個数基準の粒子径分布と粒子形状を測定できる。

 

以下、他の選択肢について

 

2のふるい分け法は、目開きの異なるふるいをいくつか重ね、ふるい分けにより粉体の粒子径を測定する。
各ふるいの網上に溜まった粉体の質量を測定するので、ふるい分け法では質量基準の粒子径分布が得られるが、粒子形状は得られない。

 

3のコールターカウンター法は、粒子を電解質溶液に分散させ、両側に電極を置いた細孔を粒子が通過する際に発生する電気パルスを解析する粒子径測定法である。
コールターカウンター法では、パルスの数から粒子の数がわかり、パルスの高さから粒子の大きさがわかるので、
個数基準の粒子径分布と体積基準の粒子径分布が得られるが、粒子形状は得られない。

 

4の動的光散乱法は、液体中でブラウン運動している粒子にレーザー光を照射したときに生じる散乱光について、
粒子の拡散係数に応じて散乱光に揺らぎが生じることを利用する粒子径測定法である。
散乱光の揺らぎを検出し、粒子径と拡散係数の関係を表すストークス-アインシュタイン式を用いて粒子径を測定する。動的光散乱法では粒子形状は測定できない。

 

5の遠心沈降法は、粒子の液体中の沈降速度から粉体の粒子径を求める方法であり、
沈降速度に関するストークス式が用いられる。
沈降法では平均粒子径とともに質量基準の粒子径分布が得られるが、粒子形状は得られない。

 

 

★ 他サイトさんの解説リンク
103回問48(e-RECさん)

トップへ戻る